“教えて君”をなくす、SAP教育ツールの新版を出荷

2006/3/17

 SAPジャパンとRWDテクノロジーズジャパンはエンドユーザーサポートに関する協業を強化し、SAPユーザー向けの教育ツールの新版「RWD Info Pak 5.51 Suite with Simulator」(Info Pak)の販売を3月16日に開始した。SAPはエンドユーザーサポート担当の人員も増強する考えで、顧客の総合的な満足度向上を図る。

 SAPジャパンのバイスプレジデント フィールドサービス統括本部 エディケーション事業本部長 小山弘樹氏は、「SAPの真の価値はいかにシステムを活用してもらうかにかかっている」と指摘し、エンドユーザー教育の重要性を訴えた。「隣の人にSAPの操作法をずっと聞いているとチームとしての生産性が上がらない。プロフェッショナルなサポートや自分で操作法を修得できる環境構築が大事だ」と述べ、いわゆる“教えて君”をなくすことが生産性向上に結びつくと説明した。

RWDテクノロジーズジャパンの代表取締役社長 吹田順一郎氏

 RWDが開発したInfo PakはSAPの実際の操作を通じて、教育用のドキュメントを作成できる機能が中心。通常は手動で行う画面キャプチャなどの作業を自動化できるので、ドキュメント作成を大幅に効率化できる。RWDテクノロジーズジャパンの代表取締役社長 吹田順一郎氏によると「手作業でドキュメントを作成するのと比べて5分の1の時間に短縮できる」という。

 新版では新たにSAPの操作を記録し、動画を作成する機能を付けた。エンドユーザーは動画を見ることで、SAPの操作法を学べる。単純な操作法の再現のほかにエンドユーザーに次の操作を選択させながら再生する機能があり、「自己学習が可能」(吹田氏)だという。システムのカットオーバー前に本番環境を擬似的に構築して操作を学べる。管理者はエンドユーザーの回答率を確認可能で、教育効果を確かめることができる。

 Info Pakのライセンス価格は1ユーザー3万円。SAPが販売する。年間1万5000ライセンスの獲得を目指す。また、SAPはエンドユーザーサポート担当の人員を現状の2人から5人に増員することを明らかにした。小山氏は「教育だけではなく、プロジェクトマネジメント的な作業も求められる」と増員理由を説明した。

(@IT 垣内郁栄)

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SAPジャパンの発表資料
RWDテクノロジーズジャパン

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