ソフトイーサ登社長が学生に促す、「日本人は低レイヤのソフト開発を」

2006/4/1

 「日本人はもっとリスクをとって低レイヤのソフトウェアの開発に挑戦すべきだ」。仮想VPNソフトウェアを開発しているソフトイーサの代表取締役社長 登大遊氏は、マイクロソフトが3月31日開催した学生向けのイベント「The Student Day 2006」のパネルディスカッションに登場し、参加した学生にげきを飛ばした。

ソフトイーサの代表取締役社長 登大遊氏

 登氏は「日本から海外に輸出するソフトウェアと、海外から日本に輸入されるソフトウェアの額を調べると1対100。周りを見るとどんなものでも米国製のソフトウェアだ」と指摘。そのうえで、OSやルータのOS、データベースなど低レイヤのソフトウェアで海外製品が多く使われているして、「日本企業はこれらの海外製品の上で稼働する高いレイヤのアプリケーションをコツコツと作っているだけ。企業が業務アプリケーションを開発しても一部のライセンスや特許料が米国に流れて行く」と語った。

 この日本と海外の構造問題を解決するため、「日本の中で低レイヤのソフトウェアを分かる人を増やさないといけない」と登氏は主張。ソフトイーサの設立も「低レイヤのソフトウェア開発を実現したいと思ったから」と説明した。低レイヤのソフトウェア開発に力を入れることで「ぼくはまだ米国に追いつけると思っている」。

 登氏の問題提起についてパネルディスカッションに参加した日本IBMの大和 SWG テクニカルサポート・オペレーションズ担当 山岡泰幸氏は「胸に染み入る」と賛同を示した。山岡氏は「でき合いのOSやプラットフォームを加工するだけの“即戦力”はいらない。そういうルーティンな仕事はどんどん海外に出て行く」と指摘し、「ものごとを深く考える仕事だ」とITの基礎部分の開発が重要との考えを示した。

 一方、日立製作所のソフトウェア事業部 プラットフォームソフトウェア本部 主任技師 高杉昌督氏は「ワールドワイドで協力して作り上げていくLinuxやPostgreSQL、MySQLなどはどうなのか」と述べ、日本と海外を分けて考えることに対する違和感を示した。登氏は「オープンソースのソフトウェアを商品化しているのは米国企業が多い。オープンソースを商品として社会に還元できる組織が日本にも必要だ」と答えた。

 IT業界を目指す学生へのメッセージとして、登氏は「ソフトウェア開発についてこれまではハードウェアの壁があった。しかし、価格下落やメモリ制限の撤廃でその壁はなくなった。ハードウェアのリソースを生かすことができるソフトウェアの開発が求められる」と述べた。また、自身が筑波大学3年に在学中で、起業したことを踏まえて、「本当に好きなことができる企業に就職するか、起業を考えるべき」とアドバイスした。

(@IT 垣内郁栄)

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