Yahoo!がGoogleより人気の日本、なぜと頭をひねる

2006/6/14

 「世界各国でGoogleのウェブ検索のシェアが高いが、日本では圧倒的にYahoo!検索が強い。これは興味深い現象だ。なぜかと聞かれても分からないが……」。ネット視聴率調査のネットレイティングス 代表取締役社長 萩原雅之氏は頭をひねる。米国、英国など欧米ではGoogleの人気が高く、50〜70%以上の利用率を誇る。対して日本ではYahoo!検索の利用率が上回る。ヤフーの検索事業部 事業部長 井上俊一氏は「ポータル戦略がうまくいっている」と推測している。

ヤフーの検索事業部 事業部長 井上俊一氏

 ネットレイティングスの調査によると、2006年3月のWeb検索の国内利用率はYahoo!検索が64.5%でトップ。この数字はロボット検索を行う「Yahoo! Search Technology」(YST)の結果。対して、Googleの利用率は34.7%となっている。Yahoo! JAPANには手動登録したWebサイトを表示するYahoo!ディレクトリもあり、29.7%の利用率がある。海外ではこの構図が一変する。米国、英国、フランス、ドイツではGoogleの利用率がトップ。Yahoo!の利用率は10〜20%台に過ぎない。

 萩原氏は国内でのYahoo! JAPANの強さについて「日本人がWebサイトを利用する全時間のうち、十数%はYahoo! JAPANのサービスを使っている。IT業界にはGoogle脅威論があるが、日本ではYahoo! JAPANの方がネットビジネスへの影響が大きい」と話した。ちなみにYahoo! JAPANに続いて利用時間が多いのは楽天で、3位がMixiだという。

 井上氏によると、Yahoo!は韓国、台湾など日本以外のアジア諸国でも人気で、Googleを上回るシェアを獲得している。井上氏はYahoo!がローカル企業と組んでコンテンツを充実させていることを説明し、「なんでもそろうというポータル戦略が珍しくうまくいっている」と分析した。

 Yahoo! JAPANは次世代の検索として「ソーシャル・サーチ」を考えている。井上氏はいまのWeb検索の問題点として「評判・意見の抽出ができない」「キーワードを入れないと何も出ない」などと説明し、「究極のプル型アプリケーション」と指摘した。対して、ソーシャル・サーチでは「ネットユーザーのコミュニティの意見を検索にどう反映させるか」を考える。具体的にはYahoo! JAPAN内のさまざまなサービスに登録されるユーザーの知識や意見を検索結果に反映させる考え。井上氏は「将来的にはキーワードを入れずに情報をプッシュしてあげることを想定している」と話した。

 Yahoo! JAPANのソーシャル・サーチ化を進める手法の1つがWebサービスAPIの公開。ヤフーは2005年12月からYahoo!検索、Yahoo!オークションなどのAPIを公開し、開発者がAPIを組み込んだアプリケーションを開発できるようにしている。Yahoo!検索を組み込んだ「はてな検索」が有名だ。ヤフーでデベロッパーネットワークを担当する梅村雄士氏によると、開発者の登録ID数は3500で、APIへの1日のアクセス数は約60万回。日本語による仕様解説を付け、利用制限を少なくしたことが開発者の人気を呼んでいると見ている。梅村氏は「ヤフーでは思いもつかないようなサービスが生まれている」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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