オープンソースを積極的に取り込んだBEA WebLogic 9.2J

2006/8/1

日本BEAシステムズ 営業技術本部 高橋丈氏

 日本BEAは7月31日、WebLogic製品ファミリの最新版を8月3日に出荷すると発表した。最新バージョンは9.2J。企業情報システムのアーキテクチャをサービス指向アーキテクチャへ転換することを目的としてデザインした。今回発表したのは、ポータルの開発と管理を行う「WebLogic Portal 9.2J」と、J2EEプラットフォーム「WebLogic Server 9.2J」および、開発環境である「BEA Workshop for WebLogic Platform 9.2J」の3つ。いずれも、オープンソースとの融合を行いながら、企業の基幹システムに耐える堅牢性と柔軟性の機能拡充に機能刷新の主眼を置いている。

 ポータル機能の開発・管理を行う「WebLogic Portal 9.2J」は、Web Services for Remote Portlets(WSRP)によるポータル連携機能や、コミュニティ機能、ポートレットの非同期更新機能(AJAX、iFramesで実現)などを追加・強化した。

 「WebLogic Server 9.2J」は、さまざまな変更をサーバの再起動などに動的に実行できる機能など、堅牢性のある企業情報システムの基幹用途として最適化された機能強化が施された。Webサービスの最新標準であるSOAP1.2やws-Secure Conversation、Streaming Attachmentもサポートした。

 開発環境「BEA Workshop for WebLogic Platform 9.2J」は、本バージョンから、Eclipse3.1をベースとした環境へと変わった。リファクタリング、ソース操作、ソースコード管理システム統合、デバッグなどEclipseの標準的な機能をすべて備えている。また、オープンソースのApache Beehiveのサポートと、Apache Strutsに基づくWebアプリケーションを実装している。

 「BEA Workshop for WebLogic Platform 9.2J」におけるEclipseベースへの変化ほど顕著ではないが、同社のプロダクト戦略はオープンソースとの積極的な融合を果たす方向へと着実にシフトしていることがうかがえる。例えば、開発基盤としても機能する「WebLogic Server 9.2J」では、オープンソースと商用コードを組み合わせて使用するための同社独自のサポート体系「ブレンド型アプリケーション開発」も提供する予定である。

(@IT 谷古宇浩司)

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日本BEAシステムズ

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