NEC、協調型セキュリティを実現した「InfoCage」

2006/9/7

 NECは9月6日、PCやサーバのセキュリティ機能を相互に連携させ、紙文書や電子データを統合的に管理できる“協調型セキュリティ”を実現した「InfoCage」の販売を開始した。複合型コピー機などとの連携により、紙文書にも固有のIDを発行し、トレーサビリティを確保するという。

NEC ITプラットフォームビジネスユニット 執行役員 岡田高行氏
  協調型セキュリティでは、情報漏えいやウイルス感染に対応するため、統一したセキュリティポリシーの下で統合管理を実現し、セキュリティ領域別に必要に応じて個々の対策が互いに自動的に連携・協調することができるようになるというもの。

 例えば、社内ノートPCを出張時に持ち出し、出張先でウイルスに感染、会社に戻りLANにつないだところ、LANを通じて社内にウイルスがまん延するといったケースでも、協調型セキュリティではノートPCのウイルス対策ソフトとネットワークセキュリティ機器が協調することで、感染したノートPCを隔離・駆除することができるという。

 協調型セキュリティでは、PCなどのクライアントの暗号化・認証を行う「Clientシリーズ」、ファイルやコンテンツの暗号化やフォルダ認証を行う「Fileシリーズ」、サーバからのデータ持ち出しを制御する「Serverシリーズ」、持ち込みPCの検知遮断やネットワーク管理を行う「Networkシリーズ」、これらの製品別の管理情報を統合管理する「Managementシリーズ」の計5製品で構成される。Clientシリーズが2006年11月から出荷を開始し、Fileシリーズが2007年3月から、そのほかが2007年上期からの出荷予定だ。

 協調型セキュリティでは、さまざまなセキュリティ機器が協調し、統合的なセキュリティレベルを上げるのが特徴だが、そのほかにも、管理対象となる電子データや印刷された紙文書へ固有IDを付与することで、PC上での操作履歴や印刷される紙文書の履歴管理もできるようになる。さらに、同社の検疫ツールである「CapsSuite」を統合することでネットワークレベルの統合的な管理を強化。PCの接続状況やイントラネットの利用状況を数値で把握できるとした。

 NEC ITプラットフォームビジネスユニット 執行役員 岡田高行氏は、「従来のセキュリティでは、ネットワークやクライアントPC、サーバなどを個別に守ればよかった。しかし、攻撃が複雑化している現在では、さらに人間系も含めて組織全体で防御していかなければ守りきることができなくなっている。『組織をどう守るか?』を考えたときに協調型セキュリティがベストだと考えた。この製品は新たな市場を開拓する製品だと思っているので、売り上げは3年間で600億円を目指す。これは今年度の100億規模の約6倍となるものだ」と語った。

(@IT 大津心)

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