通信・メディア業界の変化はビジネスチャンス〜オラクル

2006/9/14

 「通信・メディア業界における変化がビジネスチャンス」――。日本オラクルは9月13日、通信・メディア業界への取り組みに関する説明会を開催、同社常務執行役員でエンタープライズアプリケーション営業統括本部長の桑原宏昭氏はこう語った。

日本オラクル 常務執行役員 エンタープライズアプリケーション営業統括本部長 桑原宏昭氏

 オラクルのデータベースはすでにNTTドコモをはじめ、国内の通信事業者に広く利用されている。さらに最近の積極的な企業買収を通じて、通信業界にとって重要な要素を1社で提供できるようになり、オラクルとしても国内通信業界のニーズに包括的に応えられるようになったという。

 同社は昨年から今年にかけて、CRMの米シーベル、請求/収益管理の「Portal」を開発する米Portal Software、組み込み型データベース「Berkely DB」の米Sleepycat Software、インメモリデータベース「TimesTen」を開発する米TimesTen、セッション制御ソフトウェアのスウェーデン企業HotSip、既存ネットワークとITを結ぶParlay APIを開発する米Net4Callなどを次々に買収、通信業界向けのソリューションをきめ細かくそろえてきている。

 通信・メディアの世界では、垂直的な統合から水平的な連携へと、構造変化が進行しつつある。プラットフォーム事業からコンテンツやサービスへの収益モデルの移行もはっきりとしてきた。水平的連携の世界では、決済、認証、セキュリティ、著作権管理などが事業者横断的に提供される必要があるとともに、競争の激化によるコスト削減要求にも応えられなければならない。

 そこでオラクルでは、サービス、プラットフォーム、ネットワーク、デバイスの各レイヤで、オープンなインターフェイスを備えた製品群を提供していくという。サービスでは位置情報管理の「Oracle LBS」、プラットフォームでは「Oracle Identity Management」(IdM)などを提供、ネットワークではTimesTenのネットワーク機器への組み込み、デバイスでは「Oracle Lite」や「Berkeley DB」の端末への組み込みなどを提案していくという。

  オラクルでは自社製品を「Oracle Applications」「Grid Control」「Oracle Fusion Middleware」「Oracle Grid」に分類しているが、通信・メディア業界に対しては特にOracle Fusion Middlewareの各種製品群を包括的に提供する。一方で競争激化に伴うコスト意識の高まりから、通信業界では業務システムにおけるパッケージ・ソフトウェアの価値が再認識されるとする。これを機に、シーベルやポータル・ソフトウェアを検討してもらうことを考えているという。

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