日本SGIの新しい試み

声から感情を分析して空間を演出する「空間ロボット」

2006/12/05

 日本SGIは12月5日、人間の音声や感情でIT機器や家電、什器などを操作し、空間を演出できる「空間ロボット RoomRender」を開発したと発表した。企業の会議室をはじめ、一般住宅、ホテル、福祉施設・介護施設などへの応用を計画している。

日本SGI池田氏 日本SGI 戦略事業推進本部 池田曜司氏

 「空間ロボット RoomRender」は、同社がAGIと共同で開発しているST(Sensibility Technology=感性制御技術)を核に、アドバンスト・メディアの音声認識技術「AmiVoice」など既存の技術を組み合わせてさまざまな機器を一括制御するシステムである。

 マウスやキーボードといった従来のデータ入力インターフェイスだけではなく、ITリテラシーに依存しないインターフェイスを通じて、機器の制御ができることを追求している。音声入力インターフェイスは、現時点で最も実用レベルの高い技術ゆえに採用されたが、視覚や聴覚、臭覚を媒介としたインターフェイスの開発も行う予定。同社ではこれを「感性ユーザーインターフェイス(SUI=Sensibility User Interface」)と命名、このインターフェイスを基盤に多彩な応用サービスを開発していく予定。今回の空間ロボット・プロジェクトは、SUIを実現するための1つのプロジェクトという位置付けである。

 「空間ロボット RoomRender」を基盤として、同社の社内会議室に構築されたデモ環境に、「FeelingWall」というものがある。会議で交わされる人の音声から感情を分析し、その会議の雰囲気を色で表現するサービスである。「会議の雰囲気を色で表現することで)会議を和ませるなど、円滑なコミュニケーションを支援する効果が期待できる」(日本SGI 戦略事業推進本部 池田曜司氏)。

 STにおける音声認識のメカニズムは、辞書を活用した従来型のパターン・マッチングとは違うと池田氏は説明する。さまざまな人が発する言葉を収集し、ある一定の時間内における音の変移の波形を分析、それを「喜」「怒」「哀」「笑」「平常」「興奮」の6つに分類し、色を割り振る。分析結果は関数化される。入力されたデータによって、STが人の感情を判断し、結果を出力する。現在のSTはバージョン2.0で、人間の主観に対して、59〜65%の一致率を実現しているという。

 同社では、STを一般商用アプリケーションに組み込むためのソフトウェア開発キット「ST SDK Ver2.0」も提供している。

(@IT 谷古宇浩司)

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