BO創業者兼会長のリオトー氏がBIの未来をアピール

BI 2.0では5つの革命が起きて、みんなが使えるように

2007/06/08

 日本ビジネスオブジェクツは6月7日、報道関係者向けの説明会を開催し、米ビジネスオブジェクツの創業者で現在会長兼最高戦略責任者を務めるベルナルド・リオトー(Bernard Liautaud)氏が同社の戦略を説明した。

リオトー氏写真 米ビジネスオブジェクツ 創業者兼会長兼最高戦略責任者 ベルナルド・リオトー氏

 リオトー氏は、BI(Business Intelligence)の近未来におけるビジョンとして「BI 2.0」を挙げ、そのためにはBIには5つの革命が必要であると説いた。必要な革命とは、「ユーザー革命」「プラットフォーム革命」「ネットワーク革命」「アプリケーション革命」「コミュニティ革命」の5つ。

 ユーザー革命では、従来のBIのイメージとして多かった「複雑」や「数値で表示」「デスクトップアプリケーション」といったイメージから、BI 2.0では「簡単」や「ビジュアル的」「携帯デバイス」のようなものへ変化するという。リオトー氏は、「BI 2.0では、より簡素化し、多くの人が使えるようになる。より、ビジュアライズし、携帯電話などからも利用できるようになる」とアピールした。

 プラットフォーム革命では、BI 2.0は1つのプラットフォーム上に集約されていく。例えば、いまのBIは「このツールはクエリー用、このツールはレポート用、このツールはOLAP用……」とツールごとに役割が異なり分散しているが、BI 2.0ではこれらがすべて1つのプラットフォーム上で統一されるとした。また、SOAに基づいてWebサービス化が進み、インターネット上との親和性も増すという。ネットワーク革命では、従来のBIがERPやCRM、SCMといった“社内データ”しかアクセスできなかったのに対し、BI 2.0ではこれに加えて、パートナーのデータやWeb上のデータなどエクストラネットのデータも取り扱えるようになる。

 アプリケーション革命では、従来のアプリケーションが“業務の自動化”を目的にしたものが多かったのに対して、BI 2.0では“ビジネスの最適化”も実現するという。さらに、EPM(Enterprise Performance Management)の機能も取り入れ、BI 2.0上のプラットフォームで機能するようになるとした。

 最後のコミュニティ革命では、「BIとWeb 2.0を融合することでコンテンツ共有を可能にする」(リオトー氏)という。具体的には、マッシュアップやコミュニティに対してプッシュ形式でメッセージを配信できるようになる。リオトー氏は、Google Mapsとのマッシュアップ事例として、BIの地図データとGoogle Mapsを連動させて、Google Maps上にBIのデータを表示するデモを行った。

デモが面写真 BIとGoogle Mapsをマッシュアップした例をデモ

 リオトー氏は、現在の日本におけるBIの認識について「他国では『これから投資したいアプリケーション』の1位はBIだが、日本では違う。その状況を変えるためには、まずはBIのメリットを訴求しなければならないだろう。日本でのBIのイメージは『レポート生成しかできないアプリケーション』という“狭義の意味のBI”としか認識されていないからだ。これを壊すことから始めないといけない」と説明。他社との差別化ポイントとしては、「最も他社と違う点は、“オープン”であることだ。競合他社であるオラクルやIBM、SAPの製品は、やはりオラクルやIBM、SAPの製品のことを向いたBIが多い。しかし、当社のBIはそれらすべてのデータベースやERP製品に対応できている。ほとんどの企業はいろいろな製品をすでに入れているので、オープンな製品は喜ばれる」と語り、アピールした。

(@IT 大津心)

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