ラックマウントの大容量と柔軟性を実現

サン、異種CPUを混在収容できるブレードサーバシステム発売へ

2007/07/11

sun01.jpg サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 末次朝彦氏

 サン・マイクロシステムズは7月11日、インテル、AMD、サンのCPUを搭載した異種ブレードの同時使用が可能なブレード型サーバシステム「Sun Blade 6000モジューラ・システム」の販売を開始した。出荷は8月下旬から。最大の特徴は「ラックマウント型と同様の柔軟な構成が可能というモジューラシステムで、ラックマウント型と同等の性能、容量を提供できること」(マーケティング統括本部 部長 久里禎久氏)。x86系プロセッサではOSとして、Solaris 10 OS、Linux、Microsoft Windows Server、VMware ESX Serverに幅広く対応した。

sun02.jpg 「Sun Blade T6300 サーバ・モジュール」

 異種ブレードを同時に使用した場合でも、既存のラックマウントサーバ「Sun Fire」製品群と同様の管理フレームワークが利用できるのが強みだという。各ブレードサーバはサービスプロセッサを1つずつ搭載し、起動、設定、停止などをリモートで行える。

 同システムは1種類のシャーシと、3種類のブレードサーバモジュールから選択または組み合わせて構成する。電源・冷却モジュール、I/Oモジュールを搭載する「Sun Blade6000シャーシ」(税別82万3000円〜)は10Uの設置スペースに10枚のサーバモジュールを格納できる。共通インフラである電源装置や冷却機構を複数のサーバで共有することで、エネルギー効率を向上。また、部品点数が減り、信頼性の向上も期待できるという。

 ブレードサーバは、インテルXeonプロセッサ5100番台を1個、または2個搭載する「Sun Blade X6250 サーバ・モジュール」(税別55万4000円〜)、2個のデュアルコアAMD Opteronプロセッサを搭載する「Sun Blade X6220 サーバ・モジュール」(税別59万9000円〜)、UltraSPARC T1プロセッサを搭載する「Sun Blade T6300 サーバ・モジュール」(税別89万9000円〜)の3種が選択可能で、同一シャーシ内で混在させて使用することもできる。T6300では最大32GB、X6220とX6250では最大64GBまでメモリを搭載できる。

 ブレードサーバ市場では、ヒューレット・パッカードやIBMが低価格な製品で市場に攻勢をかけているが、「価格競争に持ち込んで他社製品より安くしようという戦略は採らない。大容量、高性能というところで勝機はある」(久里氏)という。同社によればブレードサーバ市場全体で年間2万5000台前後の出荷があるが、「1年後に、その5%のシェアを達成できれば」(久里氏)と話す。多くのラックを抱えていてサーバ統合を考えている顧客をメインに、テレコム市場などに向けて販売していく。

(@IT 西村賢)

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