追加資料を提出できず

NEC、NASDAQ上場廃止の可能性高まる

2007/09/21

 NECは9月21日、同社ADR(米国預託証券)の米国NASDAQ上場が廃止される可能性があるとの見通しを明らかにした。NECに対しては2006年3月期の連結財務諸表の監査を完了するために米国監査法人が追加の分析を要求。しかし、NECはその分析が提出できず、2006年3月期の年次報告書を米国証券取引委員会 (SEC) に提出できなくなった。

nec01.jpg NECの代表取締役 執行役員社長 矢野薫氏

 監査法人が分析を求めていたのは、ハードウェア、ソフトウェア、保守・サポートサービスが一体となった「複合契約」の会計処理について。収益の計上が遅くなる保守・サポートサービスについて、NECが恣意的に会計を操作していないことを示す「VSOE」(vendor specific objective evidence:販売者特有の客観的証拠)のデータ提出を特に求めていた。しかし、NECは「その情報収集を行うことができない」と発表した。

 結果として2006年3月期の年次報告書を米国証券取引委員会 (SEC) に提出できなくなり、NECでは「NASDAQは当社ADRの取引を停止し、さらに、上場を廃止する可能性があるとみております」としている。

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(@IT 垣内郁栄)

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