「2009年はDB2の大きなターニングポイント」
シェアード・アーキテクチャを追求したDB2 pureScale発表
2009/11/12
日本アイ・ビー・エムは11月12日、DB2のスケーラビリティを拡張するアドオンソフトウェア「IBM DB2 pureScale Feature for DB2 9.7 Enterprise Server Edition」(以下、pureScale)を日本でも発表した。シェアードディスク・アーキテクチャで複数ノードを管理し、大規模なスケールのトランザクション処理を行う製品。12月11日より出荷を開始する。
同製品は5月27日に発表したDB2 Enterprise Server Edition向けのオプションで、スケーラビリティを確保するためにクラスタテクノロジを提供するもの。方式はストレージを共有するシェアードディスク・アーキテクチャで、PowerHA pureScale上のメモリ空間に作られたCoupling Facility(CF)と呼ばれる領域にロック情報と共有ページを管理する。
ノード間の通信はInfiniBandを通じたRemote Direct Memory Access(RDMA)を採用、データノードからCFのメモリ領域へ直接アクセスを行える。IBMは自社の実証テストで、112ノードの大規模構成でも81%の処理能力を確保できるとした。pureScaleを利用するにあたり、アプリケーションの変更は不要。ノードを複数用意することによりメンテナンスおよび障害時でもシステムを停止せずに拡張を行うことができる。
DB2は従来シェアード・ナッシングのアプローチを取っており、今回のpureScaleはシェアードディスクのアーキテクチャを採用した点について、日本アイ・ビー・エムソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント ソフトウェア・エヴァンジェリストの中林紀彦氏は「他社ではすべての用途を1つのアーキテクチャで処理できる、という考え方だが、私たちの認識は異なる。現時点では大容量のデータをスキャンして集計するにはシェアード・ナッシングが適しているが、一方OLTP系ではデータが一元化されているアーキテクチャが向いている。これはメインフレームの世界でも実証されている」と述べた。
pureScaleが適している企業として、「ミッションクリティカルな業務や、Oracle RAC、サンのサーバを利用し、一部保守料やダウンタイムに不満を持っている企業」などを挙げた。これに伴い、オラクル製品からの移行支援サービスオフィスを窓口とする、DB2 9.7の販売体制を継続することもアピールした。
pureScaleの対応プラットフォームは、IBM Power 550 ExpressおよびIBM Power 595で、対応OSは現時点ではAIXのみ。価格は268万2000円からで、12月11日よりダウンロード提供を開始し、製品出荷は2010年1月15日から行う予定。
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