[Analysis]

新日鉄ソリューションズ会長にしかられたい

2004/01/27

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 「部下だったら大変だろうな」。新日鉄ソリューションズの代表取締役会長 棚橋康郎氏が情報処理推進機構(IPA)のイベントで述べた言葉を聞いた感想だ。丁寧な言葉使いながら、内容は的確で激烈。記事では紹介し切れなかった叱咤の言葉を紹介したい。

 国内ハード、ソフトベンダが海外ベンダの製品に頼っていることを指摘し「システムの基本機能、性能はマイクロソフト、インテルによって決まっている。IBMに対抗できる日本のベンダはあるのか」と大企業の座に胡坐(あぐら)をかくベンダを批判。海外製品の輸入もしくは、クローン作りばかりに熱心なベンダに対しては、「私の目には国内のプロダクツ産業は中身のない、薄っぺらな産業に見える」として、「この20年間、日本のハード、ソフトベンダは何をやってきたのか」と猛省を促す。

 棚橋氏の叱咤は自社の業務であるシステム・インテグレーションにも及んだ。「ハード、ソフトが主役の時代からSIが主役を務める時代になった。しかし、心もとない」。その理由は「システム構築の道具は日進月歩だが、東証、銀行などトラブルは少なくなっていない」「国内のシステム・インテグレータは保護されたマーケットでぬくぬく楽しくやってきた。日本のシステム・インテグレーションの国際競争力は相当に劣後した状態ではないか」などなどだ。棚橋氏は「大きなユーザーのコバンザメ。本当の問題解決能力、質の高いシステム・エンジニアリング能力はない」と断言した。

 棚橋氏の批判が説得力を持つのは、新日本製鐵のエレクトロニクス情報通信事業部長に就くまで“鉄オンリー”だった人物が、新日鉄ソリューションズを東証1部に上場するまで育ててきた実績があるからだ。前身の新日鉄情報通信システムを立ち上げた当初は「ビジネスモデルの確立に悩んだ」というが、「下請けは絶対にしない」などのビジネスマナーを守ることで「期待以上の成長をした」と振り返る。親会社である新日本製鐵からの受注は全体の16%まで低下し、1人立ちを果たした。単なる評論家ではないのだ。

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