[Analysis]

Linuxデスクトップ、2つのアプローチ

2004/11/16

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 Linuxにおいて、デスクトップやクライアントの分野にベンダの視線が集まりつつある。

 Open Source Development Labs(OSDL)は、今年1月に発表したイニシアティブ、「DTL(Desk Top Linux)」についての説明会を先週開催した。OSDLは、Linuxデスクトップを、リッチなクライアントとしてではなく、シン(Thin)クライアントとして考えている。そのため、OSDL マーケティング・ディレクター ネルソン・プラット氏は、「デスクトップLinuxはWindows環境を全面的に置き換えることを狙っているわけではない」という点を強調する。

 さらに、すでにPCが普及している国や企業ではなく、これからPCが普及し始める場所にLinuxデスクトップが入り込む余地があるという。プラット氏は例として中国を挙げる。実際中国では、政府などがLinuxのサーバ、デスクトップの普及を図る。

 それに対して、マイクロソフトのWindowsと真っ向勝負するように見えるのは、ターボリナックスだろうか。同社はクライアントLinux「ターボリナックスホーム」の発売の発表に際し、Windowsよりもセキュリティ被害が少ないことを強調した。はがき・年賀状作成ソフトをプリインストールしていることからも分かるように、ターボリナックスはターゲットを企業ではなく、個人に置く。

 ほかのベンダを含めてLinuxデスクトップを考えても、この2つのアプローチのどちらに入るか、といったことになりそうだ。では、この2つのアプローチはそもそもうまくいくだろうか。Linux側からのデスクトップ環境に関する動きに、今後もうしばらく注目したい。

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