特集:Windows Phone “Mango”機能解説

Windows Phone 7.5の新機能

山口 健太(Windows Phoneブログ「ななふぉ」管理人)
2011/10/19
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 前回は、Windows Phone 7.5が発売されるまでの経緯に焦点を当て、Windows Phone 7がどのような道のりを歩んできたのかを振り返りました。その最後に取り上げた“Mango”アップデートの提供が9月末より開始され、世界中のユーザーの端末に届き始めています。

 そこで本稿では、Windows Phone 7.5で新しくなった部分を中心に見ていきたいと思います。

Windows Phone 7.5の概要

日本語対応

 マイクロソフトの発表によると、Windows Phone 7.5には500以上の新機能があるとのことです。その概要はリニューアルされたWindows Phoneの公式サイトにも掲載されています。

 日本のユーザーとして見た場合、最も大きな変更点は日本語対応であるといえます。日本語対応については前回も取り上げたように、大きく分けて2点あります。表示言語としての対応と、キーボード(IME)の対応です。

 前者はキャリアに依存するため、端末によって対応/未対応が分かれるのに対し、後者はすべてのWindows Phone 7.5端末で有効です。

すべてのWindows Phone 7.5端末でカーブ・フリックとQWERTYによる日本語入力が可能だ(筆者端末)

 一般的なQWERTY入力だけでなく、フリック入力をさらに改善したカーブ・フリック入力をサポートすることで、ほかのスマートフォンと差別化を図っている点が特徴的といえます。

 しかし、スマートフォンのローカライズは日本語の表示や入力だけではありません。日本語環境のWindows Phoneでは未対応の機能も少なくないのです。

言語・地域ごとの違いとは?

 Windows Phoneは国や地域によって利用できる機能が大きく異なります。この違いは利用可能な機能とサービスにまとまっています。

 Windows Phoneには、単純に「日本語版」や「英語版」といった区分はありません。そこで、機能やサービスの利用可否がどのように決まるのかを説明しておきます。

 まず、Windows Phoneの「設定」→「地域&言語」から設定できる項目があります。この中にある「表示言語」を変えることで、基本的なUIをどの言語で表示するかを選択できます。

表示言語を「日本語」に設定した場合と、「英語」に設定した場合のPicturesハブ

 また、「ブラウザーと検索に使用する言語」の設定は、Bing検索やマップに関する機能に影響します。ここで「英語(米国)」を選択することで、米国向けの「周辺情報」(local scout)や、マップ・アプリのナビゲーション機能を有効にすることができます。ただし、機能を有効にしても日本用のデータがないため、実用的な利用シーンとしては海外旅行や出張時といった場合に限られるでしょう。

英語設定ではBing検索画面のアプリケーションバーにボタンが増えている

 ただし、OSの設定だけではWindows Phoneの海外向け機能をすべて有効にすることはできません。より重要なのが、Live IDが属する地域です。

Live IDによる違い

 一般的に、日本のWindows LiveのサイトでLive IDを取得すると地域設定が「日本」になっているはずです。このようなLive IDでは日本向けのサービスだけが有効になり、Windows Phoneに表示されるメニューも異なるものになります。例えばMarketplaceでダウンロードできるアプリは10月8日時点で約9900種類に限定されます。また、音楽を検索・購入できるZune Marketplaceには対応していません。

 対照的に、地域を「米国」として取得したLive IDを使うと、米国向けのさまざまな機能が有効になります。これにより、Windows Phoneのあらゆる機能が有効になると考えてよいでしょう。Marketplaceからは2万5000種類以上のアプリを入手できるようになり、Zune Marketplaceから音楽を購入することもできます。

米国のLive IDを設定すると、Zune Marketplaceにアクセスできる

 このように、Windows Phoneの機能は言語設定とLive IDの地域に依存し、OSは共通なのです。つまり、日本で発売されたIS12Tを米国設定にすることも可能です。現在、市販の解説書やネットのレビュー記事で、米国設定について言及されることはほとんどありません。他人とはちょっと違う使いこなしをしたい方はチャレンジする価値があるといえます。

 しかし、米国設定による運用には注意点もあります。

 まず、Windows Phone端末に設定できるメインのLive IDは1つだけです。どのLive IDを設定するか、十分に考える必要があります。Live IDを変更したい場合は端末をリセットし、工場出荷状態に戻すしかありません。

 また、有料コンテンツを購入するために米国の住所で使用可能なクレジット・カードが必要になる点も厄介です。筆者の場合、国内発行のVISAカードでは受け付けてもらえなかったものの、同じく国内発行のアメリカン・エクスプレス・カードではOKでした。これはカード会社によっても違いがあるようです。

Windows Phone 7と7.5を見分けるには?

 Windows Phone 7.5の基本的なビジュアルは前バージョンを踏襲しており、一見してその違いが分かるわけではありません。そこで、Windows Phone 7とWindows Phone 7.5の見分け方を説明しておきます。

 バージョンに関する情報が集まっているのは、「設定」→「情報」画面です。OSバージョンが7.0.7004〜7.0.7392であれば、Windows Phone 7です。OSバージョンが7.10.7720なら、Windows Phone 7.5です。

Windows Phone 7と7.5を見分ける情報(about)画面

 このように、製品名はWindows Phone 7.5となっているものの、内部的なバージョンや開発ツールでは7.1という数字を使っています。これは混乱しやすいので注意が必要です。

 もう1つ大きな違いとして、Windows Phone端末を起動したときのロゴがあります。Windows Phone 7では緑色の丸いロゴでしたが、Windows Phone 7.5では赤くて四角いロゴに変更されました。最近、この赤くて四角いロゴをWebサイトや印刷物でよく見かけます。Windows Phone 7.5対応の“しるし”と考えてよいでしょう。

Windows Phone 7.5では赤くて四角いロゴに変更された

 ここからは、Windows Phone 7.5で大きく進化した点を取り上げていきたいと思います。


 INDEX
  特集:Windows Phone “Mango”機能解説
  Windows Phone 7.5の新機能
  1.Windows Phone 7.5の概要
    2.Windows Phone 7.5の新機能


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