リッチなユーザーインターフェイスを体験
β版で試すMoblin



K.I.マヘーシ
2009/7/17


Linux(Fedora)でのインストール準備


■USB Live Imageを作成する場合

@http://git.moblin.org/cgit.cgi/moblin-image-creator/plain/image-writerより、USB書き込み用ツール「image-writer」をダウンロードします。リンクの上で右クリックし、「名前を付けてリンク先を保存」を選択します。

A端末を開き、ダウンロードしたimage-writerの権限を変更します。

$ chmod a+x ./image-writer

B次に、管理者権限になるために下記のコマンドを実行し、管理者のパスワードを入力します。

$ su -
パスワード:

CUSBメモリをPCに差します。そのとき、USBメモリは自動的にマウントされますが、この後の作業のためには、USBメモリをアンマウントした状態で利用する必要があります。そのため、マウントされたUSBメモリアイコンの上で右クリックし、メニューの「アンマウント」を選択するか、下記のコマンドでUSBメモリをアンマウントします。

# umount <usb-drive>

Dimage-writerを利用し、MoblinのUSB Live Imageを作成します。下記のコマンドを実行すると、USBメモリの中にあるデータが消え、Moblinのデータが書き込まれますので、注意が必要です。

# ./image-writer moblin-netbook-ux-beta-20090518-004.img

E「Do you want to continue anyway? (y/n)」と聞かれますので、yを入力してください。

F「The image was successfully written to the USB drive」というメッセージが表示されたら、USBテストドライブは正常に作成されています。

■CD Live Imageを作成する場合

@空のCDディスクをCDドライブに入れます。

ACDドライブのデバイスを下記のコマンドで確認します。

# cdrecord --devices
wodim: Overview of accessible drives (1 found) :
--------------------------------------------------------
0 dev='/dev/scd0' rwr--- : 'TDK' 'DVDRW880N'
--------------------------------------------------------

 ここでは、「/dev/scd0」がCDドライブになっています。

B次に、ダウンロードしたイメージファイルをCDに焼きます。

# cdrecord -dev='/dev/scd0' -tao moblin-netbook-beta-20090524-001.1.img

 エラーなく正常に終了したら、またコマンドプロンプトに戻ります。これで書き込みが正常に終了し、CD Live Imageができました。

Moblinの起動および操作

 作成したUSBまたはCD Live Imageからmoblinを起動します。

@CDの場合はCDをCDドライブに入れてください。USBメモリの場合はUSBメモリを差します。

AMID、ネットブックまたはノートPCの電源を入れます。

BBIOSが起動したら、CDブートの場合は優先ブート順位がCDになるよう、USBブートの場合は優先ブート順位がUSBになるように設定を行います。

C設定を保存し、BIOSを終了します。

D下記のような起動画面が現れたら、1番のBootを選択します。

1.Boot
2.Boot and Install
3.Verify and Boot
4.Network Installation
5.Boot from local drive

EしばらくするとMoblinが起動し、「M-Zone」画面が表示されます。

Moblinアーキテクチャ
画面1 M-Zone画面

FMoblinは、Clutter、DRI2、KMSなど最新のオープンソースのグラフィックス技術を採用しており、グラフィカルなユーザー体験が可能です。画面の上部にあるツールバーとパネルから、各種アプリケーションにアクセスできます。

Moblinアーキテクチャ
画面2 各種アプリケーション

 Moblinのシャットダウンは、基本的に電源オフボタンで可能です。端末でシャットダウンする際は、Applications→Accessories→Terminalから、ターミナルを開いて「su -」で管理者権限に切り替わります。パスワードはmoblinと入力します。「shutdown -h now」でMoblin V2.0 Betaがシャットダウンされます。

■動作確認プラットフォーム

 Moblin V2.0 betaの正常動作が確認されているプラットフォームのうち代表的なものを下記に挙げました。参考にしてください。

  • Acer Aspire One(ZG5)
  • Asus EeePC 901、1000、1000H
  • Dell Inspiron 910
  • MSI Wind
  • Lenovo S10
  • Samsung NC10
  • HP mini 1010、1120NR

 以上、Moblinの簡単な紹介とLive Imageからの起動方法を説明しました。まだβ版なので気になるところがあるかもしれませんが、使いやすいことに間違いはないと思います。ぜひ、Moblinをインストールして体験してみてください。

関連リンク:
Moblin オフィシャルページ

前のページ
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Index
リッチなユーザーインターフェイスを体験
 β版で試すMoblin
  Page 1
 多様化するモバイル向けプラットフォーム
 Moblinとはどんなもの?
 Moblinアーキテクチャの特徴
  Page 2
 Moblinテストドライブの作成
 Windowsでのインストール準備
Page 3
 Linux(Fedora)でのインストール準備
 Moblinの起動および操作

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