全国をITトレーラーで、MSの中小企業向けソリューションの本気度

2002/9/20

 マイクロソフトは、中小企業や地方自治体のIT化を推進するためセミナースペースを設けた専用の「ITトレーラー」で全国を回る「マイクロソフトIT体験キャラバン」を、10月15日に始めると発表した。ITトレーラーで実施するセミナーや、トレーラー内部のIT体験コーナーを通じて、中小企業の経営者や自治体のIT担当者にIT導入の必要性を説き、マイクロソフトのソリューションやサーバを売り込むのが目的。

マイクロソフトの「ITトレーラー」。10トン車で全長12mの車体。日野自動車のトレーラーを改造した

 マイクロソフトは1996年にもMicrosoft WordのPRのために専用バスを用意して、キャラバンを行ったことがある。今回のITトレーラーでは、内部にセミナー席を20席用意し、ビデオを使って中小企業のIT活用の事例紹介を行う。また、講師が具体的な活用例を紹介するほか、クライアントPCとサーバを計10台用意して、ソリューションを直接体験できるようにする。PCに不慣れな経営者にも興味を持ってもらえるよう、タブレットPCまで用意するという。なお、地方自治体の担当者向けの活用事例紹介メニューもある。

 キャラバンは10月15日の札幌を皮切りに、1年をかけて47都道府県の150の都市を回る予定。ITトレーラーだけでなく、地方の商工団体などと協力して関連イベントも開催する。

マイクロソフトの取締役 眞柄泰利氏。「中小企業に対しては、事例紹介だけでなく、コンサルティングや資金の調達法、助成金制度の説明などを行う必要がある」と述べた

 マイクロソフトの取締役 眞柄泰利氏はキャラバンについて、「過去1年間、中小企業向けにセミナーなどを行ってきたが、地方の企業やパートナーから、もっと出向いてほしいという要望を受けた。機動的に動き回られるITトレーラーを使い市町村レベルでセミナーを開催し、経営者がITを導入しようと思うきっかけを提供する」と、その意義を説明した。

 同社は昨年から地方の中小企業をターゲットにしたプロモーション活動を活発化させている。中小企業の経営者などを対象にIT導入のメリットを説明する「IT実践塾」は、今年8月末までに全国で426回開催し、延べ1万人以上が受講。IT導入を支援する「IT推進全国会」には、システムインテグレータなど全国212のパートナー企業が参加している。これらの取り組みで、パートナー企業と中小企業との商談は326件が成功し、1249台のサーバが納入されたという。

 マイクロソフトは今回のキャラバンで、ITにまったく興味がなかった企業にITの必要性を説明し、導入のきっかけを作る。眞柄氏は、「これまでITと関係なかったところで、新たに市場を作る」と宣言し、「ITというだけでモノが売れる時代は終わった。ITを経営の手段ととらえて有効なソリューションを提案する」と述べた。今回のキャラバンなどにより、来年6月末までに商談の成約数を1500まで伸ばしたい考えだ。

 ITは都市部の大企業に行き渡り、今後は大きな成長が見込めないといわれる。車両と改造費に4500万円をかけたというITトレーラーは、地方を中心とする中小企業から市場を創出しようとするマイクロソフトの“本気度”を表しているようだ。

(垣内郁栄)

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マイクロソフトの発表資料

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