「期待するのはプロフェッショナル」、入社式で社長が熱いメッセージ

2003/4/2

 新年度を迎え、大手ベンダなど各社が新卒の入社式を行った。長引くIT不況にイラク戦争なども加わり、ITビジネスは低空飛行が続いている。各社社長の入社式での祝辞は、IT業界が直面する課題を訴え、社員1人1人がスペシャリストになることを求める内容が多かった。

 578人の新入社員を迎えた日本IBMの代表取締役社長 大歳卓麻氏は、「日本では、自分がどういう分野の専門家であるよりも、どこの会社の社員だといった帰属意識の方が強い」と指摘したうえで、「大切なことは、IBMでどのようなプロフェッショナル・スキルを身につけるか、それを活用していかにお客様に新しい価値をお届けするかということ」と述べた。また、新入社員のテーマとして、「自ら得意分野を定め、そこで一流のスペシャリスト、プロフェッショナルになること」を挙げた。
 
 コンパックコンピュータとの合併後、初めて新卒社員が入社した日本ヒューレット・パッカードは、一部メディアで4月末での退任が報道された代表取締役社長の高柳肇氏ではなく、会長の寺澤正雄氏が祝辞を述べた。寺澤氏は、IT産業の需要回復の遅れやイラク戦争などで「HPにとっても厳しい状況がまだまだ続くことを覚悟しなくてはいけません」と現状を説明。だが、コンパックとの合併によって「新生HPは、IT業界において圧倒的なマーケット・シェアを獲得し、強大なポジションを確立しました」と強気な見方を示した。

 そのうえで、新入社員に対しては、「何の先入観も持たず、新しい日本HPに最初に入ってきた皆さんから、新しいHPの企業文化が始まる」と期待を述べ、「日本HPに限らず、どこに行っても通用する、どの会社でもほしいと思われるような人材になってほしい」と語った。

入社式で、新入社員犬「ウェンディ」を抱く日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏。ウェンディも社員犬として、プロ意識や自立、グローバルな人材(犬材?)になることが求められる

 社員犬の“ウェンディ”が参加した日本オラクルの入社式では、代表取締役社長の新宅正明氏が、ビジネスのキーワードとして“創る”を挙げた。「経営指標のみならず、われわれ自身のビジネスのやり方を刷新して、最もITを高度利用する会社を創っていくことをテーマに掲げています」と説明した。そのうえで新宅氏は、新入社員に期待することとして、プロフェッショナルになること、自立/自律すること、グローバルな人材になることを挙げた。

 3月28日付で新社長に就任したNECの金杉明信氏は、「世界の中で、ITとネットワークの両方の事業に精通し、これだけのレベルで双方の技術力や人材を保有している企業はNECのほかにない」と強調。新入社員に期待したいこととして、「目標達成のために全員が熱心に議論し、一丸となって挑戦する“燃える集団”の一員になったほしい。同時にプロフェッショナルとして世界で活躍できる“輝く個人”になってほしい」などと述べ、組織の強化と個人のスキルアップの必要性を訴えた。

 年度始めに入社式を行う企業が多い中、新卒、中途採用者を対象に月2回の入社式を行うトレンドマイクロや、儀礼的な内容でなく会社説明などのオリエンテーションが中心のマイクロソフトなど、入社式の風景は変わりつつある。だが、いずれにしても各社が新入社員に大きな期待をかけているのは間違いない。社長の熱いメッセージにこたえられるのか、新入社員の働きにかかっている。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
日本IBMの発表資料
日本ヒューレット・パッカードの発表資料
日本オラクル
NECの発表資料
トレンドマイクロ
マイクロソフト

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