富士通がオンデマンドサービス開始、他社との違いは?

2003/12/4

 富士通はITリソースを必要なときに必要なだけ利用し、利用量に応じて料金を支払う「オンデマンドアウトソーシングサービス」を開始したと発表した。すでに50社が先行利用し、コスト削減などの実績を挙げているという。オンデマンド型サービスはIBMやヒューレット・パッカードなど大手ベンダ各社が打ち出しているが、富士通は、既存顧客数の多さ、対応プラットフォームの多様さ、ネットワーク、運用を含む豊富なサービス内容をアピールし、独自色を出す考えだ。

 富士通のオンデマンドサービスは、同社のデータセンター内にサーバやストレージ、ネットワークのハードを用意し、顧客企業が必要とするITリソースをネットワーク経由で提供する。同社では成長に合わせて基幹システムを拡張する企業や、1年のうちで一時的、周期的にコンピュータの処理が増加する企業、開発、ベンチマーク測定など一時的に処理が増える企業の利用を想定している。大学入試センター試験直後に解答速報や合格可能性速報を短期集中的に提供している予備校の河合塾や、全国6000店のコンビニエンスストアが集めるデータを集計し、データウェアハウスの夜間バッチ処理で分析しているシーアンドエスなどが先行利用している。

富士通 アウトソーシング事業本部長 石田一雄氏

 富士通が提供するITリソースは同社製のサーバ、ストレージ、ネットワーク、データセンターのファシリティ。そのうちオンデマンドの対象で、変動的に提供するのは、サーバのCPU数、メモリ、ブレードサーバのボード数、ストレージは利用するディスク容量、ネットワーク帯域幅、ファシリティはスペースとなる。サーバはSolaris、Linux、Windowsが利用可能。顧客は事前に連絡すれば、必要な時期にITリソースを増やすことができる。富士通は自社のデータセンターにITリソースの仮想化技術、プロビジョニング技術を適用し、柔軟にITリソースを提供できるようにした。提供するCPU、メモリは日単位で増減可能。ストレージは時間単位で割り当てられる。

 富士通はオンデマンドサービスの顧客企業に対してSLA契約を締結する。常にITリソースの提供状況をモニタリングし、サービスレベルを維持。利用料は、基本料とITリソースの提供による変動料で構成。ソフトウェアのライセンス料は基本料に含む。契約は1年単位。同様のオンデマンドサービスはIBMやHPも提供しているが、富士通のアウトソーシング事業本部長 石田一雄氏は「幅広い対応プラットフォームと、ネットワークのインフラを持ち、オンデマンドでネットワークを提供できるのが他社との違い」と“富士通色”をアピールした。同社の既存顧客はアウトソーシングが800社、ASP利用が6000社ある。既存顧客を中心に利用を提案し、2006年度までに500社獲得、受注額1000億円を目指す。

 また、富士通の経営執行役常務 太田幸一氏は、今回のオンデマンドアウトソーシングサービスを発展させ、2004年度にもITインフラだけでなく、アプリケーションもオンデマンドで提供できるようにする考えを示した。ストレージだけでなく、CPUやメモリについても時間単位で提供できるようにし、リソースのダイナミックなプロビジョニングを可能にする。将来的には、全国の富士通のデータセンターや契約するデータセンターを高速回線で相互接続し、データセンター間でITリソースを割り当てたり、ディザスタ・リカバリに利用する“グリッド・データセンター”の構想もある。

(編集局 垣内郁栄)

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