Webブラウザだけじゃない、「Mozilla Japan」のミッションとは

2004/8/28

 Webブラウザ「Mozilla」の普及を目指す有限責任中間法人「Mozilla Japan」が8月19日に活動を開始した。Mozilla Japanの理事 瀧田佐登子氏は「Mozillaを広げるためにまずは企業ユーザーに使ってもらいたい」と述べ、企業に対する技術サポートや新規開発プロジェクトへの参加などで普及を促進していく考えを示した。

Mozilla Japan 理事の瀧田佐登子氏。かつてネットスケープで働いていた

 Mozilla Japanは、2003年7月に米AOLの支援を受けて米国に設立された「Mozilla Foundation」の支部という位置付け。Mozilla Japan自体は今年7月28日に設立され、代表理事には東京工科大学学長の相磯秀夫氏が就任、理事は瀧田氏のほかに慶応大学教授の徳田英幸氏、テンアートニ 代表取締役社長 喜多伸夫氏、テンアートニの江後田基広氏が務める。製品開発やマーケティング、翻訳などほかに15人のメンバーが働いている。

 Mozilla Japanは、米国で開発される「Mozilla」「Firefox」「Thunderbird」の日本語化、日本語製品の提供を行い、普及を促進する。また英語の技術資料の翻訳やユーザーサポートも実施する。国内のMozillaのユーザーコミュニティである「もじら組」の「和訳プロジェクト」と「JLPプロジェクト」が、Mozilla Japanの傘下に入り、翻訳と日本語版製品の開発を担当する。瀧田氏はもじら組などコミュニティとの関係について「お互いが協調できるようにやっていきたい。コミュニティからユーザーの声を伝えてもらい、製品開発をしている米国に伝えたい」と述べた。ユーザーコミュニティの支援や情報提供も積極的に行うという。

 瀧田氏は「非営利な組織なのでMozillaでお金をもうけようとは思っていない。しかし、組織を運営するための最低限の事業は必要」と述べ、企業に対する技術サポートの提供や開発プロジェクトへ参加を行う考えを示した。Mozilla Japanは設立時にテンアートニから基金への出資として1000万円の提供を受けたが、それだけでは安定的な運営は無理。企業への技術サポートを業務として行うことで、普及を促進し、同時に組織の維持を図る考えだ。

 Mozilla Japanが狙うのは、クライアントPCをLinuxベースに変更することを考えている企業や「Internet Explorer」(IE)の機能や使い勝手に不満を持つ企業。MozillaのWebアプリケーションとの相性のよさやカスタマイズ性の高さをアピールするという。瀧田氏は「企業の中にはIEに固有の技術を利用する形でシステムを組んでしまい、どのように別のブラウザに移行すればいいのか分からない企業もある」と説明し、「そのような企業に周辺技術やカスタマイズなどの情報を積極的に出していきたい。それがMozilla Japanの大きなミッション」と述べた。

 瀧田氏はまた、Mozilla JapanとしてオープンソースソフトやWebアプリケーションを開発するエンジニアの育成を行う考えを示した。オープンソース開発を行っている「東京工科大学 Linuxオープンソースソフトウェアセンター」と連携し、学生をMozilla Japanに参加させたり、同センターとの共同開発を行うことで、エンジニアを育成する。

(編集局 垣内郁栄)

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