日本TI新社長、「パートナーとして製品開発に参加したい」

2005/4/16

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)の代表取締役社長に就任した山崎俊行氏は4月15日、同社の今後の半導体戦略について「われわれのコアコンピタンスはDSPとアナログIC」と語り、3G携帯電話や情報家電分野でのシェア向上を目指す考えを示した。

日本テキサス・インスツルメンツ 代表取締役社長に4月2日付で就任した山崎俊行氏

 DSPはDigital Signal Processorの略で音声、画像、動画などのデジタル信号をリアルタイムに処理する高速プロセッサ。個別にプログラムが可能で、市場のニーズに合わせて機能を迅速に追加できる。アナログICは、DSPが処理するデジタル信号を人が認識できる映像や音に変換する。デバイスの電源管理やデバイス同士の接続にも活用する。

 米TIの社長兼CEO リッチ・テンプルトン(Richard K. Templeton)氏は半導体市場の動向について「PCに代わって通信、エンターテインメントへの応用が注目される」と指摘。「リアルタイムレベルの信号処理が必要となり、DSPやアナログICの力が生きるだろう」とした。

 日本TIが特に注力したいのは携帯電話と情報家電のエリアだ。携帯電話では、携帯電話上でさまざまなアプリケーションを稼働させるための「OMAPアプリケーション・プロセッサ」をNTTドコモの3G携帯電話「FOMA」に提供。FOMA携帯電話を開発する全メーカーが採用している。「デジタルカメラや3Dゲーム、テレビ電話などアプリケーション・プロセッサへのニーズが高まっている」(山崎氏)ことが背景。日本TIは、高機能、低コスト、省電力を求めるメーカーのニーズにこたえるため、次世代のアプリケーション・プロセッサの開発に入っている。

 デジタルテレビなど情報家電では、メーカーに対する開発段階からのサポートに力を入れる。DSP、アナログICの豊富なラインアップを生かして、メーカーのニーズに合わせて、素早くソリューションを提供できるようにする。製品開発の初期からメーカーに協力することで、製品の一部だけでなく、信号処理の全プロセスで、TI製品が利用されることを目指す。

 日本TIの2004年12月期の売り上げは3239億円で過去最高。今年度は販売・顧客サービス体制を強化し、さらに売り上げの増加を狙う。組織変更では、戦略企画本部を設置し、市場環境やメーカーのニーズを素早く把握できるようにした。また、顧客専任のアプリケーション・エンジニアを組織し、サポートに厚みを持たせた。山崎氏は「日本TIの目標は、単なる半導体メーカーではなく、顧客のパートナーと認めてもらい、開発段階から参加させていただくこと」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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