コンフェデカップ・ドイツ2005を支えたネットワークシステム

2005/7/16

日本アバイア マーケティング部長 加瀬健氏

 ドイツで開催されたFIFA コンフェデレーションズカップにおいて、大会運営を支えたコミュニケーション・ネットワークシステムの構築・運営を担当したのは、企業向けコミュニケーション・アプリケーションのベンダ 米アバイアだった。同社は2001年からFIFAのスポンサーとして、ワールドカップを始めとしたサッカーの世界大会を、ネットワーク・システムの側面からサポートしてきた。2006年にドイツで開催されるFIFA ワールドカップでも同社のネットワーク・システムが使用される予定。

 今年行われたFIFA コンフェデレーションズカップは、大会運営サイドからみれば、ワールドカップの前哨戦という位置付けだった。それでも、同大会で使用されたネットワーク網には、9.1テラバイトのデータ(本にして9100冊相当、あるいは欧州連合中央図書館が有する蔵書の200倍以上のデータ)が流れた。2006年のワールドカップは、おそらくコンフェデレーションズカップの2倍近い規模で展開されると予想される。ドイツ国内の12のスタジアム(コンフェデレーションカップでは5のスタジアム)を使用し、32のチームが参加する。ボランティア数は約1万5000人、約1万5000人の報道陣、約310万人の観客、累計300億人のテレビ視聴者という規模だ。アバイアでは、ネットワーク上に15兆バイトの音声・データが行き交うという予測をしている。「イベント用としては、過去最大規模のコミュニケーション・ネットワークが構築される」(日本アバイア マーケティング部長 加瀬健氏)という。

 コンフェデレーションズカップでは、ドイツの5カ所のスタジアムとFIFAの運営事務局を設置したホテルなどの間を音声・データネットワークで接続した。ネットワークの運営をつかさどったのは、フランクフルトに設置した「FIFA IT Command Center」。このコマンドセンターを中心に、データ、音声、セキュリティの3つの観点で、ネットワークシステムにおける障害監視を行った。例えば、音声通信の障害については、システムから警告が上がってきた場合、障害内容をエキスパート・システムと呼ばれるデータベースで自動的に照会し、対応を行う体制を構築した。大会期間中、1505のアクセスポイント上には5000のデバイスがネットワークに接続されたという。システムの信頼性という側面でいえば、同社が報告したパケットロス率は0.001%、すなわち、ネットワークを経由した9.1テラバイトの情報のうち、99.99%が成功裡に送信されたことになる。

(@IT 谷古宇浩司)

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日本アバイア

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