PDFと二次元バーコードで電子申請を効率化、浦安市が導入

2005/7/30

 千葉県浦安市は、二次元バーコードとPDF文書を組み合わせた電子申請システムを、国内の自治体で初めて今年9月初旬に稼働させる予定だ。PDF文書に記入した内容を二次元バーコードに変換し、文書に貼付。提出を受けた市役所の担当部署はこの二次元バーコードをスキャンするだけで、文書の内容をCSVフォーマットで取り込める。浦安市の経営企画部情報政策課電子自治体推進室 醍醐恵二氏は、「押印や対面審査があり、どうしても電子化ができない申請がある。二次元バーコードとPDFを組み合わせることでこういう申請の効率化に役立つと期待している」と述べた。

浦安市の経営企画部情報政策課電子自治体推進室 醍醐恵二氏

 浦安市は市役所のWebサイトから申請書類を市民がダウンロードできるサービスを2004年6月に開始した。今年9月には個人認証や手数料の支払いが不要な申請を対象にした「簡易電子申請システム」を始める予定で、二次元バーコードシステムは、その一環。

 二次元バーコードシステムは、「Adobe LiveCycle Barcoded Forms 7.0」を使ってPDFにスクリプトを埋め込み、バーコードが自動生成できるようにした。市民は市役所のWebサイトから申請書類をダウンロードして、「Adobe Reader 7.0」で展開し、名前や住所、連絡先など申請に必要な情報を入力する。情報を入力するとその内容が二次元バーコードに変換され、文書の右上に表示される。市民は入力した文書を印刷して、担当部署に提出する。

 二次元バーコードシステムは市役所内の処理を効率化させることを狙って導入する。市民から二次元バーコードが印刷された文書の提出を受けた担当部署は、二次元バーコードをスキャナで読み取り、「Adobe LiveCycle Barcoded Forms 7.0 Decorder」を使ってタブ区切りのCSVファイルに変換する。このCSVファイルを既存の管理システムで処理すれば、申請のワークフローが完了する。醍醐氏によると二次元バーコードシステムを導入するのは「自転車駐車場定期利用申請」。浦安市では年間1万5000件の申請を受けているという。「粗大ごみ収集申請」に利用することも計画している。

二次元バーコードを利用した浦安市の「駐車場定期利用承認申請書」。名前や住所を入力すると右上のバーコードに反映される。Adobe Reader 7.0で開き、入力する

 浦安市が9月に始める「簡易電子申請システム」では、PDF文書を印刷せずにそのままインターネット経由で申請できるシステムも導入する。ネットで申請すれば担当部署はデジタルデータを受け取ることができるため、押印や対面審査がない申請であれば二次元バーコードは要らないともいえる。

 しかし、醍醐氏は「セキュリティなどを心配してどうしても窓口で申請したい人もいる。市役所としては市民に選択肢を提供する必要がある」と述べた。市民サービスを考えて窓口での申請を残しながら、同時に二次元バーコードを使うことで紙の文書の電子化を容易にすることを狙う。

 醍醐氏は「電子申請で市民は選択の幅が広がる。一方で行政の仕事は複雑になり、増える。われわれはその問題をどうするかを考えないといけない」と語った。市民へのサービス向上とともに、行政の仕事を効率化する情報システムの利用にも目配りする必要があるとの考えだ。

(@IT 垣内郁栄)

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アドビシステムズ
浦安市

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