MS、「VistaでのハウツーRSS」を公開

Lisa Vaas
2005/8/6

 IE 7とWindows Vistaで正しく動作するWebサイトとRSSフィードを作る方法について、マイクロソフト開発者がブログで解説している。

 米マイクロソフトは8月3日、Internet Explorer(IE)7およびWindows Vistaに正しく対応するWebページとRSSフィードの作り方を開発者にアドバイスするための連載第1回をブログに掲載した。

 同社は次期版WindowsクライアントのVista(コードネーム「Longhorn」)で、共通の購読フィードのリストと、共通のフィードデータストアを提供する計画だ。この機能は、Windows APIを通じてアプリケーションに提供される。

 また同社は、ユーザーがIE 7で自動的にフィードを発見・購読できるようにする意向だ。この機能はすでにMozilla FirefoxやアップルコンピュータのSafariなどの競合Webブラウザで提供されている。

 RSSはWindows XP Service Pack 2(SP2)向けIE 7、サーバ版Longhorn(正式名称は未定)で利用できる。マイクロソフトは先週、IE 7のβ版をリリースした(「MS、Windows Vista β1リリースを発表」ITmedia エンタープライズ)。Longhornサーバ向けのβ版は夏の終わりまでに登場する予定で、同社は9月のProfessional Developer ConferenceでLonghorn RSS APIをリリースする。

 同社のアドバイスページは進行中で、Vistaの完成に近づくにつれ更新される。IE 7のβ版は先週リリースされたが、正式版は来年後半に登場する見込みだ。

 マイクロソフトがVistaクライアントの正式リリースに近づけば、このブログの内容はMSDNの常設ページに移される可能性が高い。

 マイクロソフトのRSSチームによるブログの最初のエントリによると、掲載内容には「ほとんど意外なものはない」という。同社はむしろ、新しいWindows機能の開発に対する意見を求めている。「この話題が物議を醸さないと良いのだが」とブログにはある。

 しかし、物議を醸さないマイクロソフトはマイクロソフトではないだろう。最近のLockergnome.comのGnomedex 5.0カンファレンスでは、一部からマイクロソフトが単一のフォーマット――RSS 2.0――にフォーカスし、IETF(Internet Engineering Task Force)などのオープン標準団体に拡張機能を提出しないとの批判が出た。RSSと競合する規格Atomは、IETFで標準化プロセスを進めているところだ。

 それでも多くの人は、マイクロソフトのRSS対応は、RSSが大衆に普及するために必要な後押しになると見ている。「RSSの課題の1つは、(比較的技術の知識がある人には)非常に使い勝手がいいものの、ほとんどの人にはRSSが何なのか、それを使って何ができるのか分からないという点だ」と調査会社Outsellの副社長兼主席アナリスト、マーク・ストロレイン氏は指摘する。

 「マイクロソフトがIE 7で進めている重要な機能の1つがRSS対応だ。それから、人々はRSSを一般的でないやり方で使ったアプリケーションを構築し始めるだろう。よくある間違いだが、RSSはブログ現象に付いてきたものではない。実際はもっと広範な(配信)プロトコルなのだ」(同氏)

 RSSの将来にとって重要なのは、「われわれがRSSを使っていても、RSSのことを話題にしなくなるほど」透明な存在になることだと同氏はいう。「それが、マイクロソフトがRSSに対して最終的にやることだ」

 標準に関して、同氏はGnomedexで、マイクロソフトがRSSをプロプライエタリなものにするのでなく、正道にとどまろうとしているような印象を持ったという。「そう(プロプライエタリに)しようとすれば、失敗するだろう。RSSにはあまりにも勢いがある」

[英文記事]
Microsoft Posts How-To on Working with RSS in Vista

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