楽天・TBSが和解、三木谷社長は「失敗ではない」

2005/12/1

 楽天は11月30日、東京放送(TBS)に対して求めていた経営統合を撤回し、TBSと「放送とインターネットの連携」を実現するための資本・業務提携の協議に入ると発表した。両社は同日、業務提携委員会を発足させることを柱とする覚書に調印した。楽天が当初目標としていた経営統合からは大きな後退となるが、楽天の代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏は「失敗という認識はない」と述べ、TBSとの今後の協議に自信を見せた。TBSは同日、別会場で会見した。

楽天の代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏

 覚書ではオンライン放送や、放送とeコマース、ポータルとの連携を協議する業務提携委員会を発足させることに合意。楽天は経営統合の提案をいったん取り下げる。さらにみずほ信託銀行に株式を信託することで、現在19%超持つTBS株の比率を10%未満に低下させる。協議期間は来年3月末までで、楽天のTBSへの最終的な出資比率は両社が協議するとしている。

 楽天はTBS株を取得したことを10月13日に公表し、TBSに対して共同持株会社化による経営統合を提案した。提案にTBSは反発。さらに楽天が株を買い増したことで、対立は決定的になっていた。

 三木谷氏は経営統合を撤回した理由について、「ベストと思っていた提案だが、お互いが分かり合えないと話が進まない。今回はいったん取り下げて、相互理解を深めることが大切と考えた。今回はこれで良かったと思うし、後退したとの認識はない」と説明した。三木谷氏は「物事は実現しないと意味がない。話し合いも持てないままに対決するのは、両社にとって良いことではないと感じた。まずは話し合うことが大事だ」とも述べた。今回の覚書締結の自己評価は「前に進んで非常に良かった」。

 両社は今後、提携についての協議を行って「完成度の高いサービス」(三木谷氏)の開発を目指す。しかし、来年3月末までに話がまとまるかは未知数。覚書では来年3月末までの協議期間は延長可能としているが、実サービスが生まれないままに協議だけが続くことも考えられる。その間に、「放送とインターネットの連携」というビジネスモデルが陳腐化する可能性もある。三木谷氏は会見で両社に協議について「スピードが速いにこしたことはないが、提携では両社の合意形成を得ることが重要。今回のプロジェクトはロングタームの話だ」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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