マルチコア時代の組み込みシステム開発に対応、ウインドリバー

2006/10/5

ウインドリバーシステムズ 会長兼社長、最高経営責任者 ケン・クライン氏

 「組み込みシステム開発でマルチコアプロセッサを導入する案件が増えている」。来日した米ウインドリバーシステムズ(以下ウインドリバー) 会長兼社長、最高経営責任者 ケン・クライン(Ken Klein)氏はそう指摘し、マルチコアプロセッサ対応がウインドリバーの競合製品に対する優位性を証明するものだと話した。

 家電や通信機器、車載機器などでマルチコアプロセッサの導入が徐々に進んでいる。高クロック設計や機能保証設計が可能といったマルチコアの利点が、複雑化、大規模化する組み込みソフトウェア開発で受け入れられている。このような状況においては、1つのプロセッサ上で異なるOSを動かすというニーズも生まれてくる。

 「市場が求めているのは、(組み込み)OS単体の性能ではなく、統合的な開発環境である」とクライン氏はいう。ウインドリバーは開発ツール、デバッグツール、ミドルウェア、OS(VxWorks、Linux)をひとまとめにした開発体系を構築し、顧客に対して開発支援、トレーニングを含めたサポートも一緒に提供する体制を整えている。

 CPUのマルチコア化にともない、開発作業はいままで以上に複雑になる。実際、開発者の多くはマルチコア開発についていまだに手探りの状態である。ネットワークのミドルウェア開発で高い技術力を持つインターピーク(スウェーデン)を買収し、開発ツールをEclipseに対応させ(Wind River Workbench)、JTAGデバッグツールをそろえ、製品化までのサポート(必要ならデザインも行う)サービスを整えることで、次世代の組み込みシステム開発需要にこたえる。

(@IT 谷古宇浩司)

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