今後はシンクライアントを含めたモバイルセキュリティに注力

Pureなセキュリティカンパニーになりたい〜チェック・ポイント創業者

2007/11/06

 チェック・ポイントは11月6日、報道関係者向けの説明会を開催し、来日中の同社 創業者兼CEOのギル・シュエッド(Gil Shwed)氏がセキュリティの最新動向と同社の事業戦略について説明した。

シュエッド氏写真 チェック・ポイント 創業者兼CEO ギル・シュエッド氏

 シュエッド氏は2007年はpointsecの買収など大きなトピックが多かったと振り返り、「ネットワークからデータセキュリティ、総合セキュリティアーキテクチャまで戦略的に広がった一年だった」と総括した。また、現在多くの企業が10種類以上のセキュリティベンダ製品を導入・利用している点を指摘。「複数のシステムが混在している状況を管理することが重要だ。現状では質の低い管理ツールのために、きちんとセキュリティ製品を使いこなせていないユーザーが多い」と解説した。

 チェック・ポイントの方向性については、「今後も一層セキュリティにフォーカスしていく。業界をリードする“Pure”なセキュリティカンパニーになりたい」と宣言。その基本方針となる「Pure Security」では、新しいプラットフォーム「NGX R65」をベースとして、新しいVPN製品である「UTM-1」や新しいIPS/IDS製品、データセキュリティ分野への進出などを計画しているという。UTM-1は、従来の小規模向け「VPN-1 UTM Edge」と大企業向け「VPN-1 UTM」や「VPN-1 Power」の中間に位置する、中規模企業向け製品だ。

 一方でシュエッド氏は、「データに迫る危険はこれだけでは回避できない。データを送信できてしまう=情報漏えいしてしまうということだ。実際多くの情報漏えい事件が起きている」と警告する。そして、情報漏えい事件の多くが、ノートPCの紛失/盗難に起因している点を指摘。今後さらにノートPCのセキュリティが非常に重要になるとし、同社ではさらにモバイルセキュリティに注力していくとした。

 その第一歩として、ハードディスクの丸ごと暗号化製品などを提供し、モバイルセキュリティに強いPointsecを買収。今後はデータセキュリティ分野でさらに開発を進める予定だ。

 また、シュエッド氏は、エンドポイントセキュリティとゲートウェイセキュリティの両面において、数十あるカテゴリごとにさまざまなベンダが数多くの製品を出している状況を懸念。「企業では、FWからクライアントのウイルス対策ソフトまで、多種多様なセキュリティ製品が導入されているのが現状だ。しかし、それらの数多くの製品をきちんと管理できていないケースが多い。これらを一元的・包括的に管理できるのが当社の強みだ。今後もこの点をアピールしていきたい。また、モバイルセキュリティに注力し、ハードディスク暗号化などのデータセキュリティ分野や、シンクライアント分野へも参入したい」とコメントした。

(@IT 大津心)

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