ラボ発のSaaSグループウェアも発表

Ajaxに控えめ対応、「サイボウズ Office 7」が登場

2007/11/28

 サイボウズは11月28日、中小規模向けグループウェアの最新版「サイボウズ Office 7」を発売したと発表した。新規アプリケーションは追加せず、使い勝手向上がバージョンアップの中心。中小規模向けグループウェアでシェアトップのサイボウズは新奇な機能でユーザーの注目を集めるのではなく、「ユーザーの空気のような存在」(同社 代表取締役社長 青野慶久氏)になることを目指す。

 サイボウズのOfficeシリーズは2万5000社以上、約200万人が利用。ノークリサーチの調査によると、市場シェアはトップ(参考記事)だ。新版では「簡単さ」と「運用のしやすさ」を向上させた。簡単さではスケジュールの表示機能にAjaxを採用。ページ全体をリロードしなくてもカレンダーの週送り、月送りができるようにし、高速な表示を実現した。青野氏は「インベーターゲームのようにスケジュールをスクロールできる。使っていて気持ちがよい機能が入った」と説明した。

 Office 7のようにWebブラウザをクライアントとするソフトウェアではAjax採用がトレンドだ。サイボウズもそのトレンドに乗ったといえる。ただ、青野氏は「Ajaxを使ったドラッグ&ドロップなどは一部の人しか喜ばない」と話し、メインユーザーの実務的な使い勝手の向上に的を絞って、Ajaxを導入していく考えを示した。

cybozu01.jpg Offcie 7のインターフェイス。前バージョンとの大きな違いはないが、デザインテンプレートを読み込めるようにした

 また、Office 7は「これまではおまけ程度だった」(同氏)という携帯電話からのアクセス機能を強化。携帯電話からアクセスしてOffice 7のほとんどの機能を利用できるようにした。

 運用のしやすさでは管理者へのアンケートを基に、自動バックアップ機能やデータベースの自動最適化機能を追加。アドレス帳の検索や予定表示などのパフォーマンスも向上させた。さらにアクセスログの管理機能も強化し、ユーザーのアクセス状況、共有データのダウンロード状況について1日分のログ参照か、任意の期間のログデータをCSVで出力できるようにした。

 ライセンスでは小規模企業の利用が増えていることから従来の50ユーザー版と10ユーザー版の間に、20ユーザー版(13万8000円、税別)を新設した。サイボウズではOffice 7で初年度に2000社以上の新規顧客を目指す。

ラボ発のSaaSグループウェア「AltSpace」

cybozu02.jpg 「AltSpace」ベータ版のインターフェイス

 サイボウズは、同社の研究開発子会社であるサイボウズ・ラボが開発したSaaS形式のグループウェア「AltSpace」のベータ版を正式発表した。AltSpaceはサイボウズのユーザー以外でも利用できる招待制のグループウェアで、グループ作成機能、掲示板機能、メッセージ送受信機能がある。Office 7にはAltSpaceの最新情報を表示する機能もある。

 青野氏は「社外との情報共有はすでにメールでは無理になっている。インターネット・グループウェアの概念があってもいい」と話し、Office 7では拾いきれない外部とのコラボレーションのニーズにAltSpaceが対応すると説明した。

(@IT 垣内郁栄)

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