[Analysis]

タイと中国の“アキバ”を探索した

2006/07/11

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 この1カ月の間に、タイ・バンコクと中国・瀋陽を訪れる機会があった。それぞれの都市で、いわゆる秋葉原と同じような電気街を訪れたのでその様子を紹介しよう。訪れたのはバンコクのパンティッププラザと瀋陽の三好街(サンハオジエ)だ。両者とも扱っている製品は同じようなものが多かったが、雰囲気が大きく異なっていたのが印象的だ。

 パンティッププラザは、バンコクのシンボルともいえる伊勢丹から北へ徒歩10分ほど歩いた場所にある6階建てのビルだ。1階から6階までPCやデジカメなどの電気製品を取り扱う店が無数に入居している。秋葉原駅前のラジオ会館をもっと広くしたイメージだ。2階と3階には食堂も入っているが、ほとんどがPC関連ショップで、DellやSONYのPCを扱う店から、自作パーツやDVD-Rメディアを扱う店まで100軒以上が入っている。

 パンティッププラザを訪れるのは2年ぶりくらいだったが、今回一番驚いたのが海賊版ショップの盛況ぶりだ。一時期、タクシン首相の海賊版撲滅運動の効果があったように思えたが、今回訪れた限りではまた以前の勢いを取り戻しているようだ。各フロアには、ソフトのパッケージ写真や取り扱い説明書をアルバムに収めて展示しているショップがあちこちにあり、ゲームやアプリケーション、映画、アダルト……あらゆるジャンルのソフトがそろっていた。歩いていて日本人だと分かると「エロDVD、エロDVD」と何度も声を掛けられた。

 それ以外はあまり変わらず、場所柄からPCパーツを求める自作ユーザーが多かった。メーカーはアキバと比べて韓国と中国メーカーのものが多い印象だ。値段は“激安!!”というわけでもなく、アキバより数割安いくらい。しかし、DVD-Rなどの消耗品は、日本の数分の1程度に収まっていた。

 三好街は瀋陽中心部にある電気街で、通りを中心に電気店がずらっと並んでいるイメージだ。中心部にはパンティッププラザのように、6階建てくらいのビルに無数の小規模店舗が並んだビルがいくつかある。中古品を扱う店も多く、自作パーツショップは少なかった。特徴的だったのは、MPEG4プレーヤーやMP3プレーヤー、Webカメラが多数売られていたことだ。それぞれ数十種類は並んでいた。有名メーカーの直営店はあまり人が見受けられなかった。

 両者の共通のポイントは、PCが非常に高いという点だ。タイでも中国でもノートPCは日本と変わらず10万円〜20万円くらいする。当地の年収を考えるとボーナス1回分くらいの値段だ。にもかかわらず、パンティッププラザも三好街もかなりの人手だった。値段が下がっていけばさらに人手が増すだろう。今後どんな意外なものが流行するか、楽しみだ。

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