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チップセット (chip set)

【チップ・セット】

最終更新日: 2002/05/29

 広義では、単独(1チップ)ではなく、複数のチップを組み合わせて利用することを想定して設計・開発された一組の半導体チップ群のこと。特にPC互換機の場合、チップセットとは、PCの持つ多くの機能を集積した一組の半導体チップ群を指す。プロセッサやメモリ、グラフィックス、ディスク、拡張バスなどPCを構成する主要な要素は、チップセットにより相互接続されているため、チップセットの出来・不出来はPCの性能や機能に大きな影響を及ぼす。

 PC用チップセットは、オリジナルのIBM PC/ATをまねて開発されたPC互換機が発展してきた歴史のなかで誕生したものである。IBM PC/ATのマザーボードを構成する半導体チップは、一部を除けば、多くはIBM PC/AT専用に開発されたものではない汎用品だった。PC互換機も当初は汎用品を組み合わせて開発されていたが、やがて汎用品のセットと同じ機能を、より少ない部品点数で実現するPC専用の半導体チップ群が開発されるようになった。これがチップセットの始まりである。チップセットを開発するには、その設計コストが余分にかかるが、一方では汎用品を組み合わせるより部品点数を減らせるため、マザーボードの製造コストを低減しやすい。またチップセットを利用する方が、マザーボードの設計や製造が容易になる。さらに、半導体技術の進歩に合わせて高速化も実現しやすい。こうしたメリットにより、次第にPC互換機のマザーボードにはチップセットが使われるようになっていった。

 当初、チップセットは各PCベンダが自社ブランドのPCのために独自開発する例が目立っていた。しかしチップセットに要求される機能や性能が増える一方で、PCの販売価格が下落するにつれ、PCベンダによるチップセットの独自開発は難しくなり、半導体ベンダが開発・販売するPC用チップセットが主流になっていった。現在では、PCベンダはこうしたチップセット・ベンダからチップセットを購入してPCを製造するケースが多い。PC用チップセット・ベンダとしては、IntelやAMD、VIA Technologiesなどのプロセッサ・ベンダのほか、ALiやSiSなどがよく知られている。

 現在のPC用チップセットに含まれる機能は、メモリ・コントローラとI/Oコントローラ、そしてシステム・コントローラの3つに大別できる。メモリ・コントローラは、メイン・メモリ・チップや外部キャッシュ・メモリ・チップを制御してプロセッサやI/Oデバイスとのデータ転送をつかさどる。またI/Oコントローラは、ディスクやグラフィックス、ネットワークなどのI/Oデバイス、またはそのインターフェイスを制御する。システム・コントローラは、割り込み要求(IRQ)やDMA、システム・クロック、タイマ、電力管理などPCシステムの基礎的な部分を制御する。

 上記の3つのコントローラがチップセットにどのように実装されるかは、チップセットの種類によってさまざまだ。チップ「セット」という名に反して、1つの半導体チップに必要な機能をすべて集積しているチップセットもある。しかし、一般的には2〜3チップで構成されていることが多い。その場合、プロセッサとのインターフェイスとメモリ・コントローラを装備しているチップは、ノースブリッジ(North Bridge)またはMCH(エム・シー・エッチ、Memory Controller Hub)と呼ばれる。またI/Oコントローラを内蔵しているチップはサウスブリッジ(South Bridge)またはICH(アイ・シー・エッチ、I/O Controller Hub)と呼ばれる。プロセッサに近い側が「北(North)」で、遠い方が「南(South)」と理解すればよいだろう。システム・コントローラの機能は、この2チップにまたがって実装されることが多い。またI/Oコントローラに分類されるグラフィックス機能は、例外的にNorth Bridge(MCH)に内蔵されることが多い。

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