沖電気、光ファイバ回線による都市間光CDM伝送実験に成功

2004/7/31

 沖電気は独立行政法人 情報通信研究機構と共同で研究している光CDM(Optical Code Division Multiplexing:光符号分割多重)伝送方式を用いた実験に成功したと発表した。「光符号分割多重」方式により、10Gb/sの伝送速度で2チャンネルを同じ周波数帯域(1550nm帯)で同時に多重伝送し、各チャンネルで高品質伝送に成功したという。

沖電気 研究開発本部 上修健氏

 光CDM方式は理論研究が先行。米国防総省はプロジェクトを組んで研究開発を進めていた。しかし、既設の光ファイバ回線を使う実験に成功したのはこれが初めてという。沖電気 研究開発本部 上修健氏は光CDMの特徴を「柔軟性の高いルーティングで、安全で確実な通信が可能」と説明した。

 多重方式とは、1本の光ファイバを多重化し、複数のユーザーがより効率的な通信を行えるようにする技術。これまでに、1本の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化する「波長分割多重(WDM)」方式や、1本の光ファイバを一定時間間隔でスロットを割り当ててデータ伝送を行い、複数チャネルがつくる「時間分割多重(TDM)」が実用化され、利用されている。

 今回、沖電気の実験では、同社が新たに開発した「光符号分割多重(OCDM)」を利用した。チャネルごとに異なる符号(パターン)を割り当て、パターンにより信号を抽出する仕組み。送信側でチャンネルごとに異なる光符号で信号を符号化し、受信側では同一の光符号を元に復元することによって、同じ波長で同時に複数のチャンネルに割り当てる。

 光の符号化/復合化は、時間拡張/波長ホッピング方式を組み合わせたことで成功した。複数の波長を高速に切り替え、時間だけでなく、波長も考慮した符号化を行うという。光の符号化/復合化には、沖電気が開発したパッシブデバイスであるFBG(Fiber Bragg Grating)を使用。FBGは特定の波長帯の光波を反射し、そのほかの波長帯の光派を通過させるフィルタ特性を持つ光ファイバのデバイス。符号化で時間拡散された符号化光信号を、時間的にずらして重ねることで10Gbpsのデータレートにも適用できるという。

 伝送実験は、実験ネットワーク環境「JGN IIネットワーク」から、東京・大手町と茨城・つくば間の折り返し光ファイバ回線を用いて行った。総距離は200キロメートルで、典型的な都市間伝送距離に相当するという。

 上修氏は「今後は多重数を5〜7チャンネルにするよう研究開発を続けていきたい。実用化・商用化には、ネットワーク機器ベンダの協力や各分野からの協力が必要だ」と述べた。

(編集局 富嶋典子)

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沖電気の発表資料
独立行政法人 情報通信研究機構

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