マイクロソフト、テレビ会議用ハードウェア市場に参入
2006/8/9
マイクロソフトは8月8日、次期Office製品群「the 2007 Microsoft Office system」のうち、ユニファイドコミュニケーション製品に関する機能の説明会を開催した。説明を行ったのは、マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 横井伸好氏と同本部 マネージャ 越川慎司氏。
マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 マネージャ 越川慎司氏 |
また、コスト削減目的からIP電話への移行が進んでいると分析。このことから、電話の管理が総務部から情報システム部へ移行しつつあり、情報システム部がほかのシステムとの連携がしやすくなってきていると説明し、「人々を支援し、新しい環境下で仕事を円滑に進めるためのソフトウェアを、当社ではユニファイドコミュニケーション製品として提供する」と語った。
次に越川氏は、同社が実施したアンケート結果(国内の717人のビジネスマンを対象に実施)を提示。アンケートによると、社内コミュニケーションの問題点の1位は、「電話に関する問題」で20.5%、「コミュニケーション不足」が2位で16.0%、「ツールを使いこなせない」が3位で13.2%だった。また、Web会議システムの導入状況は、「導入済み」が18.7%、「検討中」が15.8%、「今後検討」が21.8%となり、検討している企業が40%を超えているとした。個人が勝手に使っているのではなく、企業としてIMを導入しているのは9%、検討中が7.1%、今後検討が17.9%だった。この結果を受けて、越川氏は「アンケートで、IMやWeb会議への潜在的な需要の大きさが分かった。IMは北米では今年にも電子メールのトラフィックを抜くといわれている。日本でも、暗号化やログ保存などのセキュリティ面をきちんとしたら、もっと広がるのではないか」と予測した。
マイクロソフトは、次期ユニファイドコミュニケーション製品に「Office Live Meeting」「Office Communications Server 2007」「Office Communicator 2007」「Office RoundTable」の4製品をラインアップ。Live Meetingは、ASP型のオンライン会議サービスで、全世界7拠点にホスティングサーバを用意し、いつでもどこからでも利用できる点が特徴だ。
Office Communications Server 2007とOffice Communicator 2007は、サーバ/クライアント型のIMツールで、MSNメッセンジャーといったコンシューマ向けIMツールと異なり、暗号化やログ保存など企業におけるニーズを満たしたツールとなっている。利用時には、専用クライアントの「Office Communicator」が必要だ。これらを利用することで、ほかのOfficeシステムとの統合やアプリケーション共有、スケジュール統合、テレフォニー統合などが可能となる。またOffice Communications Server 2007には、多人数での会議やイントラネット内にサーバを設置して自社内で利用する機能などが追加された。
マイクロソフト初のデバイスとなる「Office RoundTable」。米国本社から届いたばかりだという |
Office RoundTableは、同社初となるWeb会議用デバイス製品。円卓の中心に置くことで、360度の映像をパノラマ表示するほか、スピーカー付きのマイクを装備し、現在の話し手を拡大表示するといった機能も備える。また、Live Meetingコンソールとシームレスに統合されるほか、Office Communications Serverとの連携も可能だという。マイクロソフトは、Office RoundTableを含めた新しいユニファイドコミュニケーション製品を2007年後半に出荷開始予定とした。越川氏は、「今後はパートナーとの関係を深めながら、新たなテレフォニー市場を開拓していきたい」と抱負を語った。
(@IT 大津心)
[関連リンク]
the 2007 Microsoft Office system
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