レノボ・ジャパン新社長はデル出身、販売チャネルを強化・拡大する

2006/9/21

レノボ・ジャパンの代表取締役社長に就任した天野総太郎氏

 レノボ・ジャパンのアジア太平洋地域の責任者が代わった。同地域総括責任者にデヴィッド・D・ミラー(David D.Miller)氏、レノボ・ジャパンの代表取締役社長に天野総太郎氏がそれぞれ就任した。両者ともにデル出身。

 9月20日に天野氏が社長就任後初の記者会見を行った。天野氏は2000年にデルに入社。米国本社でビジネスセールス事業本部統括事業本部長などを経て、2006年9月1日に現職に就任した。「レノボの誕生から1年、自分の役割はレノボの事業規模を拡大させることだ」とし、デルでの経験を生かして、レノボ・ジャパンの2けた成長推進の原動力になると意気込んだ。

 前任の向井宏之氏がレノボの技術力を強くアピールしていたのに対し、デル出身の天野氏は販売モデルの磨き上げや、販売網の調整にプレゼンテーションの力点を置いていた。

 同社は立ち上げから1年かけて販売網の整備を行ってきた。開発力については、日本IBM大和研究所の遺伝子を継承していることから、大きなてこ入れの必要はない。問題は新しい販売モデルを作り、同時に新たな販売網を整備することだ。直販営業、ソリューション・パートナーとの共同販売からはじめ、Webセールス、電話営業の体制を作ったのがこの1年の成果だ。今後は、事業規模の拡大に不可欠なリセラー・パートナーの拡充が待っている。その後に、集めたリセラー・パートナー網を調整しながら、販売モデルを磨き上げていくことだ。

 現在、同社は2つの販売モデルの並立を想定している。すなわち、案件対応型の販売モデルと、中小規模企業向けに安価な価格帯を設定し、即納体制で対応する販売モデルだ。同社は前者を「リレーションシップ・モデル」、後者を「トランザクション・モデル」と名付けている。

 リレーションシップ・モデルは主にThinkブランドの製品を受注生産で対応する。トランザクション・モデルはLenovo3000を中心に、SCMによる在庫予測を行いながら販売する。パートナーとの連携による受注生産方式と在庫を抱えながら行う販売方法を両立させ、デルやヒューレット・パッカード、NEC、富士通といった国内の競合企業に対抗していく。2008年の北京オリンピックのころまでに、市場認知度80〜90%を目指す。

(@IT 谷古宇浩司)

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