IBMソフトウェア事業の展望

この先10年もミドルウェアに注力、IBMのソフトウェア事業

2007/04/10

IBM写真 米IBM シニア・バイス・プレジデント スティーブ・ミルズ氏

 スティーブ・ミルズ(Steven A. Mills)氏は、IBMのソフトウェア事業を統括する立場にある。2000年から現在のポジションに就いたが、1995年の時点ですでにソフトウェア事業をリードする役割を担っていた。「2000年以降のITに求める企業の要件は、1990年代とは明らかに異なる」とミルズ氏はいう。1990年代は企業がこぞって情報システムインフラを導入した時代。2000年以降は(1990年代に導入した)IT資産を活用し、自社のビジネスプロセスを効率化する時代であるとミルズ氏は主張する。

 IBMのソフトウェア事業戦略は、一貫して大規模企業におけるミッション・クリティカル分野にターゲットしている。現時点では、次の10年、その次の10年も同社はこの戦略を変えることはないようだ。大量のトランザクションを実行し、管理するIT基盤の信頼性やセキュリティの堅ろう性に対するニーズは、企業がITを活用する限り変わることはない。この領域はIBMがミドルウェアの研究・開発(と買収)に巨額の投資をすることで、競合他社に対して「圧倒的」(ミルズ氏)な地位を築いた。

 ミドルウェアに注力することで、IBMのソフトウェア事業は着実に成長している(ソフトウェア事業の売り上げはおよそ200億ドル規模)。そのため、ミルズ氏にとって、グーグルやYahoo! に代表される「Web2.0」企業の動向は、たいして関心のあるテーマではない。「彼らの対象マーケットは消費者市場だ。彼らが(IBMのような)エンタープライズ市場の領域に参入することはないだろう」と狙いを定める市場の違いを強調した。

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(@IT 谷古宇浩司)

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