富士通が「GLOVIA smart」新製品

手作り開発ではやっていけない――時代はパッケージ、そしてSaaSに

2007/04/23

 富士通は4月23日、中堅市場向けのERPパッケージ「GLOVIA smart」の新ラインアップを発表した。同社 経営執行役 小原不二夫氏は「中堅企業は手作り(のソフトウェア開発)ではもうやっていけない」と指摘し、「ERPという保険、時間を買う時代がきた」と話した。

glovia01.jpg 富士通の経営執行役 小原不二夫氏

 手作り開発が限界にきているのは日本版SOX法など企業情報システムを含めた社会的な規制が多くなっていることに加えて、いわゆる2007年問題で手作りのシステムを開発し、運用してきた担当者が退職してしまうから。「あいつに任せていれば大丈夫という人がどんどんいなくなってきた」(小原氏)というのが中堅企業の現状だ。

 富士通が2006年7月から販売しているGLOVIA smartは、同社の大企業向けERP「GLOVIA」をベースにパートナーのサービスやISV製品をSOAに基づき組み合わせたソリューションパッケージ。スモールスタートし、企業の事業拡大に合わせてシステムも追加できる「増改築型」を特徴とする。GLOVIA smartには新製品を合わせて101種のラインアップがあるが、製品のGUIを統一し、1人の担当者が複数の製品を使いこなせるようにした。

 追加したのは量販店、ショッピングセンター、食品製造・卸、ホテルの4業種向けのソリューションパッケージと、文書管理などを行う「GLOVIA smart 情報共有 Documal」、CRMソリューションの「GLOVIA smart CRM FASTSFA KM+」。中堅製造業向けの既存製品「生産情報 PRONES」もGLOVIA smartブランドで提供する。さらに、文書化支援など内部統制強化のソリューションも用意する。

 富士通はGLOVIA smartの提供で、2006年度からの3年間で1000億円の売り上げを狙っている。2006年度は150億円の売り上げがあり、2007年度は300億円、2008年度は550億円を見込む。

 また、小原氏はSaaS方式でのERP提供を試行版として2007年下半期に行う考えを示した。「中堅ではものを置く場所がない、運用する人もいない」といい、SaaSのニーズがあると判断した。各業種の共通業務を支援するパッケージをサービスとして提供する。

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(@IT 垣内郁栄)

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