特集
Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める(後編)

2. システムボリューム以外を冗長化するには

デジタルアドバンテージ
2002/12/25


 前編では、システムボリュームのミラーボリューム(RAID 1)化を取り上げた。ここからは、システムボリューム以外のシンプルボリューム(以下、データボリュームと呼ぶ)の冗長化について解説していく。

 実は、システムボリュームよりも、データやアプリケーションが置かれるデータボリュームの方が冗長化を行う必要がある。Windows 2000 Serverがインストールされるシステムボリュームの容量は、アプリケーションなどを含めたとしても20Gbytesもあれば十分だろう。この程度の容量ならば、インストールと初期設定が完了した時点でイメージ・バックアップ・ソフトウェアを使って、別のハードディスクなどにバックアップしておくことも容易だ。頻繁に構成が変わることもないだろうから、障害発生時のリストアもそれほど面倒ではないだろう。しかし、データボリュームは頻繁に書き換えられるし、容量も大きくなりがちなため、有効なバックアップ方法が限られる。また、OSやアプリケーションはオリジナルから再インストールすることができるが、失われたデータを再生するのは大変な作業になるし、場合によっては不可能なこともある。

データボリュームを冗長化しよう

 では、データボリュームの冗長化について考えていこう。Windows 2000 Serverでは、データボリュームに対して、「ミラー ボリューム」と「RAID-5 ボリューム」のいずれかの方法を使って冗長化することが可能である。ミラーボリュームは2台、RAID-5ボリュームは3台以上のハードディスクが必要になる。つまり、ミラーボリュームはハードディスクの合計容量の50%、RAID-5ボリュームは3台で構築した場合で66.6%、4台で75%、10台で90%が、データの格納に利用できるわけだ。利用効率という面では、RAID-5ボリュームの方が望ましいことが分かる。

 ソフトウェアRAIDの構築にIAサーバの標準IDEインターフェイスを利用する場合、搭載できるハードディスクは最大でも4台に制限される。OSのインストールなどのためにCD-ROMドライブを残すとなると、ハードディスクは3台しか搭載できない。もちろん、IDEインターフェイスの増設やSCSIインターフェイスの利用によって、4台よりも多くのハードディスクを搭載することも可能だが、ソフトウェアRAIDの手軽さが失われてしまう。

 データボリュームのミラーボリューム化またはRAID-5ボリューム化は、システムボリュームのミラーボリューム化と同様、[ディスクの管理]ツールによって行う。[ディスクの管理]でディスクをダイナミックボリュームに変更した後、冗長化したいディスクの[未割り当て]領域上で右クリックを行い、メニューから[ボリュームの作成]を選択する。あとは[ボリュームの作成ウィザード]の指示に従って、「ミラー ボリューム」もしくは「RAID-5 ボリューム」を選択した後、RAIDを構築するディスクを追加する。ミラーボリュームの場合はドライブを1つ追加し、RAID-5ボリュームの場合は2つ以上を追加する。ボリュームに割り当てる容量も指定できるので、[未割り当て]の一部をミラーボリュームまたはRAID-5ボリュームとすることも可能だ。これでデータボリュームのミラーボリューム化またはRAID-5ボリューム化が完了する。

大きな画面へ
データボリュームの冗長化
いずれかのハードディスク上の[未割り当て]で右クリックを行う。
  [ボリュームの作成]を選択する →
 
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[ボリュームの作成ウィザード]の[ボリュームの選択]画面
[ボリュームの作成ウィザード]が起動するので、ここで「ミラー ボリューム」もしくは「RAID-5 ボリューム」を選択する。
  冗長化の方法を選択する →
 
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[ボリュームの作成ウィザード]の[デュスクの選択]画面
ミラーボリュームもしくはRAID-5ボリュームとするハードディスクを選択する。ミラーボリュームの場合は1台、RAID-5ボリュームの場合は2台以上を選択する。画面は、RAID-5ボリュームを選択しているので、残り2台の選択が必要となる。
  RAID-5ボリュームを構成するハードディスクを選択する
  [追加]ボタンで[選択されたダイナミック ディスク]へ移動させる
  割り当てるボリュームのサイズを設定する
 
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[ボリュームの作成ウィザード]の[ボリュームのフォーマット]画面
[ディスクの選択]画面の次に、生成されるボリュームに割り当てるドライブ・レターを指定する。その後、この[ボリュームのフォーマット]画面でフォーマットを行う。
  NTFSとFAT32の選択が可能
  [クイック フォーマット]を選択するとボリュームの生成時間を短縮できる

 RAIDの構築は、10Gbytesのミラーボリューム化で5分ほど、RAID-5ボリューム化ではクイックフォーマットで約10分、通常のフォーマットで約30分の時間がかかった。システムボリュームのミラーボリューム化と同様、RAIDの構築中であってもデータボリュームへのデータの読み書きが可能である。ただし、この時点では冗長化が行われないので取り扱いに注意が必要なのは、システムボリュームのミラーボリューム化と同様だ。RAIDの構築が完了すれば、通常のシンプルボリュームと同様に冗長化を実現した状態でのデータの読み書きが可能になる。

大きな画面へ
RAID-5ボリュームの生成中
指定したドライブ・レターが割り当てられ、ハードディスクのフォーマットが開始される。
  RAID-5ボリュームの場合はフォーマットに意外と時間がかかる
  [レイアウト]が[RAID-5]となる
 
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RAID-5ボリューム生成後のExplorerの画面
E:ドライブがRAID-5ボリュームだが、Explorer上では通常のシンプルボリュームと変わらない。
  E:ドライブにRAID-5ボリュームが割り当てられている
  本来は4.88Gbytesの3台分である14.64Gbytesを利用しているが、Explorer上では2台分の9.76Gbytesしか空き容量がない。1台分の4.88Gbytesはパリティとして利用されていることが分かる

 次ページでは、ミラーボリュームおよびRAID-5ボリュームをどのように組み合わせるのが最適なのかについて考えていく。


 INDEX
  [特集]Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める
    1.システム ボリュームのミラー化を試す
  2.システムボリューム以外を冗長化するには
    3.最適なソフトウェアRAID構成を考える
    4.ソフトウェアRAIDの障害復旧の手順は?
 
 「System Insiderの特集」


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