欧米市場で成長するオラクル・アウトソーシングビジネスの
将来性

2002/11/29

オラクル・アウトソーシング社長のティモシー・チョウ(Timothy Chou)氏

 最初にオラクルから「ビジネス・オンライン」というコンセプトを聞いたのは、1998年のOracle OpenWorldの会場だった。ビジネス・オンラインとはつまり、オラクル・コーポレーション自ら手がけるASP(Application Service Provider)ビジネスである。当時、すでにナパ・バレーの著名ワイナリーでは導入実験が進行中していた。早いものであれから4年。「ビジネス・オンライン」は「オラクル・アウトソーシング」という名称となり、いまでは500社強の顧客、数10億円規模の売上高を誇るビジネス規模に成長しているという。

 オラクル・アウトソーシングのサービスラインナップは、E-Business SuiteやCollaboration Suiteといったアプリケーション製品ばかりでなく、Oracle9iデータベースやOracle9i Application Serverを管理するテクノロジー・アウトソーシングにまで広がっている。オラクル・アウトソーシング社長のティモシー・チョウ(Timothy Chou)氏は、「将来的にはオラクルのすべての顧客が、アウトソーシングを利用するようになるだろう」と鼻息が荒い。

 同氏は、ここまで発展してきた理由として、製品の中身を知りつくしているオラクル自身が、信頼性、可用性、安全性、パフォーマンス、障害対策、設定変更対応などの付加価値を製品に加えて、サービスとして提供しているからだという。また、ASPといえば使用量ベースで料金を徴収する薄利多売ビジネスのイメージが強いが、製品販売と同じレベルのマージンが得られていることも成功の大きな要因のようだ。これを実現するために、1つの製品を数多くの顧客企業に提供するためのプロセスを徹底的に自動化した。

 「顧客企業への実装を繰り返し行うことで、そのノウハウに精通することができ、最後にはどう自動化すればいいかもわかるようになる。ソフトウェアをビジネスとして成り立つサービスとして提供するには、この自動化がキープロセスだと思う。」(チョウ氏)

 ERPパッケージにしろ、グループウェアにしろ、アプリケーションを見ると自社向けに手を加えたくなるのが顧客というものだが、オラクル・アウトソーシングもその要望は受け入れる。それを同社はCEMLI(ケムリ)と呼ぶ。CEMLIとは、Configuration、Extention、Modification、Localization、Integrationの略称。E-Business Suiteの例でいうと、約90のCEMLIバージョンがあるという。顧客には、まずCEMLIレベルが低ければ低いほど価格も安く、早期に本番稼動ができ、アップグレードもしやすいと提案する。
 
 欧州、南米と世界市場にも乗り出しているが、アジア・パシフィック地域での展開はまだ始まったばかり。日本にはまだ採用例は1社もない。しかし、チョウ氏は「今年、 来年中には、アジアのすべての国をターゲットに、すべてのサービスメニューでアウトソーシングビジネスを立ち上げる」と宣言。このビジネスモデルがグローバルベースで成功することを確信しているようだった。

(吉田育代)

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