500KbpsでDVDクラスの映像配信、サンストリーム

2004/8/24

 サンストリームは500Kbps程度の帯域でDVDとほぼ同様の映像品質でコンテンツを配信できるストリーミングの新技術を開発したと8月23日に発表した。すでに松下電器産業などが自社のWebサイトでのコンテンツ配信に利用している。サンストリーム 代表取締役社長 小橋康浩氏は企業サイトなどでのコンテンツ配信に加えて、「高画質テレビなど情報家電への配信に取り組みたい」と述べた。

 DVDクラスの映像をストリーミング配信するには通常、2Mbps程度の帯域が必要になるとされる。しかし、サンストリームは高圧縮規格の「H.264/AVC」を利用することでコンテンツの圧縮率を高めた。また、独自の配信技術を開発し、コンテンツのバッファ時間の短縮や、最大の64倍速での早送り、巻き戻し機能を実装した。

サンストリーム 代表取締役社長 小橋康浩氏

 サンストリームは新技術を採用したコンテンツ配信のASPサービスと、顧客企業が自らコンテンツ配信を行うためのソフトウェア販売の2つを展開する。ASPは企業などが宣伝のために映像コンテンツを一定期間だけWebサイトに掲載したい場合などに適切なサービス。ハードやソフト、通信回線の設備を顧客企業が用意する必要がないため、初期投資を抑えることができる。料金は、同時接続数が100の場合で、1カ月100万円となっている。

 ソフトウェアは接続数が100〜500までの「SANSTREAM 300」と500〜5000に対応する「SANSTREAM 400」を用意。価格はSANSTREAM 400の500接続の場合で2000万円となっている。SANSTREAM 300、SANSTREAM 400ともストリーミングサーバのほかに、ロードバランサ、管理サーバ、ストレージなどを用意する必要がある。

 サンストリームの新技術は現状ではWebサイト上で配信し、PCで閲覧する利用法がメイン。しかし、小橋氏は今後本格化が予想される地上デジタル放送のコンテンツをエンコードし、インターネットで配信、高画質テレビで視聴する方法の開始に期待している。サンストリームの技術を活用することで、地上デジタル放送のオンデマンドが可能になり、「10分前のニュースや先週のドラマなど自在に視聴できるようになる」とアピール。さらに地上デジタル放送の難視聴地域に、地上デジタル放送のコンテンツをサンストリームの技術を使ってインターネットで配信する使い方も考えられるとして、「地上デジタル放送のハイブリッド化が可能になる」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
サンストリーム

[関連記事]
コンテンツ管理ソフトの勝ち組、負け組はどこ? (@ITNews)
ドキュメンタム、レガートを統合するEMCの狙いが分かった (@ITNews)
戦略的なWebサイト運営が"ブランド"を作る (@ITNews)
FM東京やNECなどが無料のネットテレビ放送 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)