Acrobat 7.0は、セキュリティとコラボレーション

2004/12/2

 アドビシステムズのPDFの出発点は、コンピュータのうえで紙を再現することだった。その後PDFは進化し、最新バージョン「Adobe Acrobat 7.0」ではセキュリティやコラボレーションの機能を強化する。「インテリジェンスをPDFに組み込む努力をしてきた」(米アドビシステムズ 商品マーケティングおよび開発担当 シャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏というとおり、紙を超えた「インテリジェント・ドキュメント」の実現が同社の目指す方向だ。

 
アドビシステムズ代表取締役社長の石井幹氏

 アドビシステムズ代表取締役社長の石井幹氏は、11月9日に成立し、来年4月1日に施行される「電子文書法」に大きなビジネスチャンスを見ている。電子的な文書も原本として有効とみなされ、保存が義務づけられれば、PDFのセキュリティ機能やコラボレーション機能が生きてくるからだ。石井氏は、すでに埼玉県がPDFと公的な個人認証基盤とを連携させてセキュアな申請業務を実現していることなどをあげ、PDFが単なる電子文書ビューワ以上の役割を果たしていることを示した。

 Acrobat 7.0では、PDFファイルに「誰が閲覧可能か」などの権限情報を付与可能で、権限情報は同社のLiveCycle Policy Serverによる認証と連携する。間違ってPDFファイルが漏えいしたとしても、権限を持った者以外は内容を参照できないため、安全な情報コンテナとしてPDFを使えることが大きな特徴。LiveCycleサーバ上では、PDFファイルごとの権限や文書そのものの有効期限などをリアルタイムに操作できる。

 PDFファイルには、文書だけでなくCADデータなども格納でき、さらに添付ファイルを含めることもできる。例えば、ある製品の企画文書と、CADによる設計図、グラフィックによる全体像、Excelによる原価計算表を1つのPDFファイルとしてまとめることが可能だ。

 そのほか、Acrobatの起動時間の短縮、複数のPDFファイルに入れられた注釈を1つにまとめる機能などの改善も行われている。

 PDFの作成機能などを備える「Adobe Acrobat 7.0 Professional」「Adobe Acrobat 7.0 Standard」は、2005年1月21日に販売開始。Acove LiveCycle Policy Serverは、2005年前半に発表予定。 

(編集局 新野淳一)

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