セールスフォースが次に目指すのは“ビジネスウェブ”

2006/1/25

 セールスフォース・ドットコムは1月24日、2005年9月に発表したアプリケーションプラットフォーム「AppExchange」とCRMソリューションの最新版「Winter '06」を発表した。ともに本日より利用可能。米セールスフォース・ドットコム 共同創業者、テクノロジー統括責任者 パーカー・ハリス(Parker Harris)氏は、「この新しい2つのサービスは、Web上のオンデマンドサービスを確立する“The Business Web(ビジネスウェブ)”を推進するものだ」と説明した。

米セールスフォース・ドットコム 共同創業者、テクノロジー統括責任者 パーカー・ハリス氏
 ハリス氏は、ビジネスウェブを「GoogleやYahoo!、iTunesなどコンシューマ向けのWeb上のプラットフォームは多数存在しており、成功例も多い。しかし、エンタープライズ向けには同様のサービスが存在していない。『エンタープライズ向けのeBay』や『エンタープライズ向けのiTunesミュージックストア』も必要ではないだろうか。それを実現するのがビジネスウェブだ」と説明。ビジネスウェブのプラットフォームとして、AppExchangeやWinter '06を提供するとした。

 AppExchangeは、自分で作成したSalesforce.com向けのアプリケーションを公開できる“場”であり、作成者は無料か有料か選んで公開できる。すでにワールドワイドで160種類、日本でも20種類以上のアプリケーションが公開されているという。ハリス氏によると、AppExchangeには、作成や公開するための「独立系ベンダ向け標準」や、稼働させるための「高度なセキュリティ」、統合させるための「Webアプリケーションの複合化」、グローバル展開するための「多言語対応」といった、ビジネスウェブのプラットフォームとして利用していくのに必要な要素を盛り込んだという。

Salesforce.comに「Skype for AppExchange」をインストールした画面。顧客リストの左側に青いアイコンが表示されているのは、在席していることをあらわしている。このアイコンを押すと自動的にSkypeが立ち上がり、その顧客に電話を掛けることができる
 AppExchangeで公開されているアプリケーションの例には、SkypeをSalesforce.com向けにカスタマイズした「Skype for AppExchange」が挙げられた。このアプリケーションをSalesforce.comにインストールすることで、Salesforce.com上の顧客情報にSkypeを使った通話機能や在席確認機能などが追加される。例えば、顧客であるA氏が在席していると、在席アイコンと“Skypeを使ってコンタクトする”ボタンが表示され、クリックすることでSkypeを起動して音声通話などが可能となる。通話しながら、Salesforce.com上の顧客履歴や営業記録といったデータを確認することもできる。

 そのほか、Salesforce.comのユーザーである日立ソフトウェアエンジニアリングは、「日本独自の問題であるが帳票にさせるためのアプリケーションや、当社独自の指静脈認証とSalesforce.comを連携させるためのアプリケーションは自社で開発した。帳票関連などは他社でもニーズがあると思われるのでAppExchangeでの提供を検討したい」(総合企画本部 本部長 中村輝雄氏)といった例が報告された。また、新日鉄ソリューションズはドキュメント管理関連アプリケーションを、みずほ情報総研は金融ソリューション関連アプリケーションの提供をそれぞれ検討しているという。

 ハリス氏は、AppExchangeで公開されているアプリケーションについて、「Salesforce.comがもともとCRMソリューションなので、データクレンジングや営業部隊を管理するといった“CRM機能を補完・補強するアプリケーション”が比較的多い。しかし、ボランティア活動を管理したり開発環境をサポートするアプリケーションも存在するなど、幅広いアプリケーションが提供されている」とアピールした。

 なお、Salesforce.comの新バージョンであるWinter '06では、新しいユーザーインターフェイスや、ワークフローでルールを割り当てるテリトリー管理機能など、200以上の新機能を追加した。また、新たに利用規模別に「チームエディション」「プロフェッショナルエディション」「エンタープライズエディション」が用意された。

(@IT 大津心)

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