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【Top10】Chromeに見る「軽い」と「速い」の違い

2009/04/06

 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキング第1位は「開発者に聞く、Google Chromeが目指すもの」だった。ほかのWebブラウザとコンポーネントを共有しているChromeだが、その背後には高速化と応答性向上のためのエンジニアリングの積み重ねがあった。

NewsInsight Weekly Top 10
(2009年3月30日〜4月5日)
1位 開発者に聞く、Google Chromeが目指すもの
2位 Skype for iPhoneが通信事業者に投げかける課題
3位 JavaScriptだけで開発、Palm webOSのSDKが登場
4位 米Rackable、米SGIの総資産を2500万ドルで買収
5位 ジャストシステム、キーエンス傘下に
6位 「Androidはまだ本当の意味でOSSと言えない」
7位 富士通シーメンス統合で世界の4強に、富士通
8位 アマゾン、ウィザードだけで使えるHadoopサービス開始
9位 XenServerの無償ダウンロード提供が開始
10位 Vistaに見切りをつけたMS、「Windows 7」登場は来年か

 過去にも書いているが、私はChromeが圧倒的に速いように感じている。ただ、もしかすると「速い」という形容は間違いではないかと思うようになった。ちょっと古い言い方だが「さくさく」とか「軽い」というのが当たっているように思う。それはベンチマークテストでは計測しづらいが、はっきり体感できる違いだ。

 Chromeチームが主張するように「応答がいい」(responsive)という言い方が正しいのだと思う。それは処理速度とは直接関係がない。ユーザーが何か操作をしたときに、どれぐらいのタイムラグで処理が始まるか、あるいは画面が反応するかといったことだ。応答性ということにはソフトウェアの起動時間を含めてもいいし、タブ切り替えや新規タブが開くのに要する時間、あるいはドロップダウンメニューをクリックしてから実際にメニューが表示されるまでの時間、閉じるボタンを押してから実際にタブやウィンドウがきれいサッパリ消えてシステムが落ち着くまでの時間を考えてもいい。

 いくら処理が速いといっても、ところどころに“引っかかり”があると、それはストレスになる。Webブラウザは、もはやどれも十分に速くてスピード競争は無意味だという人もいるが、応答性という観点で見れば、実際には事情はまったく逆ではないだろうか。IEやFirefoxのモッサリした動作に常々イライラしているのは、私だけだろうか? Operaは非常に高速だし、“戻る”ボタンでのWebページの再表示など、一部には信じられないぐらい速い面があるが、それでもやっぱりガチッと全体が固まるときがあって、応答性には難がある。こうしたことは仕方のないことだと思っていたため、なおさら私はChromeの引っかかりのなさに驚いている。

 応答性ということでは、操作中のあちこちにある数十から数百ミリ秒の“引っかかり”と、たまに起こる数秒から10秒程度の“待ち”の2種類がある。GUIを嫌い、コマンドやキャラクタベースの操作にこだわる人が少なくないのは、GUIには謎の引っかかりや待ちがあるからだと思う。こうした引っかかりや待ちは、ベンチマークの数値には現れない。

 ページがロードされる最中に表示済みの部分をスクロールしようと思ったら、マウスホイールが反応しない。少し落ち着くまで数秒もしくは「半拍」ほど待つ(待たされる)。そんなことはないだろうか? そうした“待ち”の部分こそ本当は計測すべきなのではないか。

 「重い」というのは処理が遅いこととはちょっと違う。

 このところ、Android搭載のHTC製端末を触っているのだが、iPhoneと比べると「重たい」感じがする。両者はいずれもWebKitベースで操作も似ており、タッチパネルを備えたところも同じという端末だが、触った印象はだいぶ違う。iPhoneではスクロール系の操作がピタッと指に張り付くのだが、Androidでは、そういう心地良い感触がない。Android端末では、たぶんユーザーの操作からかすかに遅れて画面が動き出しているのだと思うが、「重い」という形容がぴったりなのだ。人間は押したり引いたりしたときに、対象物がどの程度俊敏に加速度を得るかで、本能的に質量に相当する何かを感じるのではないだろうか。

 「速い・遅い」と「軽い・重い」の違いは、至るところにある。PCは十分に速くなったというが、至るところに重たい操作(アプリケーション)や、待たされることがあってウンザリしている人も多いのではないだろうか。

(@IT 西村賢)

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