実験 

137Gbytes超IDEディスクの正しい使い方

3.160GbytesハードディスクへWindows 2000をインストールする

デジタルアドバンテージ 島田広道
2002/01/22

 次は、160GbytesハードディスクにWindows 2000 Professionalを新規インストールする状況を想定してみる。テスト対象のPCに内蔵のIDEハードディスクは160Gbytes×1台だけで、そこにはパーティションも作成されておらず、もちろんOSもインストールされていない、という状況だ。前出の「表:テストしたPCのハードウェア/ソフトウェア仕様」でいえば、「システム用ハードディスク」がテスト対象の160Gbytesハードディスクに変わり、プライマリIDEポートのスレーブにつながるドライブがなくなる。

 この状態でWindows 2000 ProfessionalのインストールCD-ROMからブートしてインストールを開始すると、その途中で現れるパーティション設定画面では、全容量が137Gbytesと認識される。しかし、ここで137Gbytes以内の領域にシステム/ブート・パーティションを1つ作成してWindows 2000をインストールし、その完了後にIAAをインストールすれば、セットアップ中には認識できなかった領域(下の画面の)をアクセスできるようになった(IAAのインストール方法は、前述の増設の場合と同じ)。つまり、複数のパーティションに分割することになるが、最終的にWindows 2000上では160Gbytes全域を使えるようになるわけだ。

IAAインストール前後でのパーティション構成の変化
上の画面がWindows 2000をインストールした直後のパーティション構成。下の画面はIAAインストール後のパーティション構成だ。
  Windows 2000インストール直後は、ハードディスク全容量が128Gbytes(1K=1024)までしか認識されていない。
  システム/ブート・パーティション。サイズは10Gbytesで、もちろん137Gbytes以内の領域に収まっている。
  拡張パーティション。インストール中に以外のパーティション(論理ドライブ)を作成しようとすると、このようにとほかのパーティションを除いた領域全体が自動的に拡張パーティションとして確保される。
  IAAインストール後の全容量。153Gbytes(1K=1024)という真の全容量が認識された。
  全容量が正しく認識されたことにより現れた未使用領域。ここにもパーティションを設定すれば、ファイルの保存などに利用できる。

 もし、拡張パーティション内に論理ドライブがなく、有効なデータが存在しないなら、いったん拡張パーティションを削除し、のパーティション以外の領域全体を再度確保し直せば、137Gbytes以内とそれ以降の領域をまとめることができる。あまりパーティションを細かく切りすぎると使い勝手が悪くなるため、このようにしてパーティションを統合した方がよいだろう。

ディスクBIOSの48bit LBA非対応がネックになる

 48bit LBA非対応のディスクBIOSを持つPCの場合、IAAの運用には注意すべきことがいくつかある。1つは、システム・ファイルやOSのブートに必要なファイルの扱いだ。例えばWindows 2000の場合、起動時には通常、カーネル・モジュールやブート時に起動されるドライバなどがディスクBIOSによってディスクからメモリに転送され、その後ストレージ・インターフェイス用ドライバが起動されてディスクBIOSから制御が移る。もし、これらのファイルが137Gbytes以降(137G〜160Gbytesの領域)に配置された場合、48bit LBA非対応のディスクBIOSはそれらを読み出せなくなってしまい、Windows 2000がブートできなくなる。そのため、システム・パーティションやブート・パーティションは137Gbytes以内に配置し、137Gbytes以降にはプログラムに関係しないデータのみを保存するよう、パーティションを分けたほうがよい。

 Windows 2000からWindows XPにアップグレードするときにも、問題がある。Windows XPにアップグレードする過程で、IAAのIDEドライバは(現時点で)48bit LBA非対応のWindows XP標準IDEドライバで置き換えられてしまう。従って、インストールが完了してIAAを再インストールするまでは、137Gbytes以降の領域には正常にアクセスできなくなる。最悪の場合、137Gbytes以降の領域を対象としたディスク・アクセスが実際にはディスク先頭(0Gbytes)へのアクセスになってしまい、アップグレード中にディスクの内容が破壊されてしまう危険性を秘めている。ただし、Windows XPにアップグレードする際、48bit LBA対応IDEドライバをセットアップ中に組み込めば、この問題は解決できるものと思われる。

 ディスク関連ユーティリティの扱いも要注意だ。Windows上で動作するユーティリティはIAAにより137Gbytes以上の容量を正しく認識できる場合が多いが、DOS上で動作するユーティリティはディスクBIOS経由または直接IDEインターフェイスにアクセスするため、137Gbytesまでしか認識できない。実際、PowerQuest社(国内ではネットジャパン取り扱い)のパーティション操作ユーティリティ「PartitionMagic 7.0日本語版」とディスク・コピー・ユーティリティ「Drive Image 5.0日本語版」をDOS上で使ってみたが、ディスクBIOSが48bit LBA非対応の場合、どちらも137Gbytesまでしか認識できなかった。こうしたユーティリティは、Windows上でインストールを行うものの、使用時にはDOS上で稼働するというパターンが多いが、プラットフォーム(OS)によって137Gbytesの壁の有無が変わるので、使用時は注意が必要だ。

IAAで1パーティション構成のWindows 2000をセットアップする

 パーティションを分割してファイルを管理することに慣れている場合は、前述の方法が適しているだろう。しかし、PC管理者によっては、1台のハードディスクにつき1パーティションで管理していることもあるだろう。実際、パーティションの数が少ないほど、ディスク容量の不足からファイルを移動するといった管理の手間は省ける。また、もしディスクBIOSが48bit LBA対応ならば、単一パーティションでも全領域をディスクBIOSからアクセスできるため、前述のようにシステム・ファイルなどの配置によってOSがブートしなくなる、ということはない。そこで、160Gbytesハードディスクを1パーティションで全域確保しつつ、Windows 2000 Professionalをインストールする方法も考えてみる。

 Windows 2000(Windows NT/XPもそうだが)には、インストールCD-ROMにデバイス・ドライバが含まれていない、つまり非標準サポートのストレージにもWindows 2000をインストールできるよう、セットアップ中にストレージ・インターフェイス用ドライバを手動で組み込む仕組みがある。具体的には、インストールCD-ROMからブートした直後にF6キーを押し、ドライバを格納したフロッピーディスクを挿入し、ドライバを組み込むのだ。すると、セットアップ中のストレージへのアクセスは、このドライバを介して実行されるようになる。従って、この機能を使ってIAAのような48bit LBA対応IDEドライバを組み込めば、セットアップ時から137Gbytesを超える容量を正しく認識できそうだ。

Windows 2000のセットアップ時にドライバを組み込む画面
Windows 2000のインストールCD-ROMからブート直後にF6キーを押すと、しばらくして、ドライバを手動で組み込むための画面が表示される。上の画面は、IAAのドライバ・ファイルを抜き出して保存したフロッピーディスクから、ドライバの組み込みを行おうとしているところだ。標準でサポートされていないストレージにWindows 2000をインストールする場合に、この手順が必要となる。

 ところがIAAは、このセットアップ時の手動ドライバ組み込み機能に対応していないようで、添付の説明書(readme.txt)にも記されていない。実験的に、IAAのアーカイブ・ファイルからドライバ・ファイルだけ抜き出して試してみたところ、Windows 2000のインストール中に160Gbytes全容量が認識されパーティションも作成できたが、インストール完了直前にハングアップしてしまい、失敗に終わった。やはり、基本的にはWindows 2000をインストール後、IAAを組み込むことになりそうだ。


 INDEX
  [実験]137Gbytes超IDEディスクの正しい使い方
    1. IDEハードディスクの「容量の壁」とは?
    2. 48bit LBAに未対応だと、どんな不具合が生じるのか?
  3. 160GbytesハードディスクへWindows 2000をインストールする
    4. 48bit LBA対応IDEインターフェイス・カードを利用する
 
「PC Insiderの実験」

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