プロダクト・レビュー・スペシャル

大量導入向け低価格1Uサーバ
「コンパック ProLiant DL320」

3.ハードウェアの拡張性を探る

デジタルアドバンテージ
2001/04/11

 1Uというサイズでもっとも制限されるのは、ハードウェアの拡張性である。ケースの内部容積が小さいのだから当然のことであり、拡張性を必要とする用途に1Uサーバをあてがうべきか、という意見もあるだろう。しかし、用途や負荷の変化に対応するには、1Uサーバにもある程度の拡張性は確保されてしかるべきだ。特に、内蔵ハードディスクの最大台数は、RAIDのドライブ構成を制限するため、導入できる用途が限られてしまう可能性がある。ProLiant DL320は、ストレージ用ドライブ・ベイが3基用意されており、2基がハードディスク用、残りの1基がオプションのCD-ROMドライブ+フロッピードライブ用となっている。ハードディスクは最大2台までしか内蔵できないため、RAIDによるフォールト・トレランスにはRAID 1(ミラーリング)しか利用できない(外部接続のストレージを除く)。

ハードディスク・ベイ − 専用アダプタで速やかな着脱が可能

内蔵のハードディスク・ベイ (拡大写真:56Kbytes
ハードディスク・ベイは2つ用意されており、評価機にはそのうち1つに20GbytesのSeagate Technology製ハードディスクが組み込まれていた(回転速度7200rpmでUltra ATA/100対応と、IDEハードディスクとしてはハイエンドに属する)。ハードディスクは専用アダプタを介してケースに組み付けられており、ネジ1本で取り外せる。
  アダプタを固定しているネジ
このネジを緩め、信号ケーブルと電源ケーブルを外せば、ハードディスクをケースから取り外せる。ホットスワップには対応していないが、この仕組みにより故障時には(それなりに)速やかにハードディスクを交換できる。
  外気を取り込むためのスリット
ハードディスク・ベイの前面にあるフロント・カバーにはスリットが設けられており、ここから冷却ファンにより冷気が取り込まれ、ハードディスクの発熱を逃す設計になっている。
 
アダプタごとハードディスクを取り外した状態

アダプタに装着されたハードディスク (拡大写真:27Kbytes
増設・交換用ハードディスクは、このようにアダプタを装着して保管しておけば、いざというとき、速やかにケースへ組み込める。
  空冷のためのスリット
アダプタの前部には、このように風を通すためのスリットが設けられており、背後のファンがフロントパネルから冷気を吸い込めるよう注意がはらわれていることが分かる。

CD-ROMドライブ+フロッピードライブ・ベイ − 汎用性はなし

CD-ROM/フロッピードライブ・ベイ
このように評価機にはCD-ROMドライブとフロッピードライブが装備されていたが、もともとはオプションである(標準ではダミーの空アダプタが装備されている)。CD-ROMドライブとフロッピードライブは一体になっており、同時に取り外せるようになっている。
 
ドライブを取り外しているところ (拡大写真:61Kbytes
付属のキーを押し込むと、CD-ROMとフロッピーが一体になったドライブ・ユニットが飛び出てくる。このように簡単な操作で取り外せるのだが、残念なことにここには、ハードディスクを装備することができない。3台目のハードディスクが装備できれば、内蔵ハードディスクだけでRAID 5の構築も可能になるので、用途が広がるだけにちょっと残念な点だ。

拡張スロット − 1スロットながら64bitフルサイズPCIカードに対応

PCIスロット
本機のPCIスロットは64bit/33MHz PCI対応で、32bitまたは64bitのPCIカードを装着できる。またカードのサイズはPCIの規格上最大のもの(フルサイズ)にも対応している。
  折り曲げられたケーブル(マザーボードの電源ケーブル)
このようにケーブルが急角度で折り曲げられているのは、厚さ44.4mmの薄型ケース内ゆえ、フルサイズPCIカードを装着する際にカードと干渉して傷めないようにするためだ。
  折り曲げられたケーブル(IDEの信号ケーブル)
これらのケーブルも、拡張カードと干渉しないよう、きっちりと折り曲げられている。
  1本のPCIスロット
ここには64bitと32bitどちらのPCIカードも装着できる。注意すべきは、信号の電圧が3.3Vである点だ。古い製品に多い5V専用カードとは互換性がない(コネクタのキーが当たるので、物理的にも取り付けられない)。
  取り外せるガイド・レール
フルサイズなど大きめのPCIカードは、IDEカードに当たってしまい、そのままでは装着できない。そのため、この部分にあるネジ1本を外すことで、PCIカードを支えるスロットとガイド・レールごと、ケースから取り外せるように設計されている。→

ガイド・レールのネジ
これは取り外したガイド・レールの一部分。
  ケースに固定するネジ
このネジ1本を緩めると、簡単にガイド・レールが取り外せる。
  予備のネジ
ここに並んでいるプラスのネジは予備のものだ(サイズはインチ)。例えばハードディスクをアダプタに取り付ける際には、このネジが利用できる。ちょっと気の利いた仕様といえる。

ガイド・レールを持ち上げたところ
ネジを外し、ケースに噛み込んでいるガイド両端を緩め、ゆっくりと持ち上げると、このようにケースからはずれる。
  ガイド・レールと一緒に持ち上がるライザー・カード
このライザー・カードがガイド・レールと一体になっているのが分かる。

ガイド・レールにPCIカードを装着したところ (拡大写真:40Kbytes
評価機に付属してきたリモート管理用PCIカードを、取り外したガイド・レールに装着してみた。フルサイズのカードでも、このようにカード両端が剛性の高い金属製ガイド・レールで固定されるので、歪みやねじれは心配せずに済む。

 ProLiant DL320は、1Uサイズとエントリ・モデルゆえの制限から、拡張性が犠牲になっている面がある。その半面、印象的だったのは、メンテナンス性を高めるための工夫が随所に設けられていた点だ。多くのサーバを高密度で集積する本機の用途においては、特に評価できるポイントだろう。

 本機のスペックについては、「資料:1Uラックマウント型IAサーバ」の「ProLiant DL320」に記しているので、参照していただきたい。

  関連記事(PC Insider内)
資料
1Uラックマウント型IAサーバ:「コンパックコンピュータ ProLiant DL320
IT Market Trend:第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場
スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」

  関連リンク
ProLiant DL320の製品情報
 


 INDEX

  [ プロダクト・レビュー・スペシャル ]
   大量導入向け低価格1Uサーバ「コンパック ProLiant DL320」
    1.1Uサーバの内部をのぞく
    2.マザーボードを詳しく観察する
  3.ハードウェアの拡張性を探る
     コラム:リモート管理用カード「リモートInsightボードLights-Out Edition」

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