プロダクト・レビュー・スペシャル

大量導入向け低価格1Uサーバ
「コンパック ProLiant DL320」

デジタルアドバンテージ
2001/04/11


 「IT Market Trend:第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場」でも紹介しているように、ラックマウント型サーバ、特にケースの厚さが44.4mmの1Uサイズのラックマウント型サーバ(以下、1Uサーバ)の需要が伸びている。これは、e-Businessの普及により、Webサーバなどを大量に導入する必要が生じたことによる。特にISPASPといったインターネット・データセンターでは、施設の管理コストが高いため、狭い設置面積で大量のサーバを導入できることが、価格競争力の面で重要となっている。そういった背景から、近年、サーバ・ベンダは1Uサーバに力を入れ始めている。

 そこで、今回はコンパックコンピュータの1Uサーバ「ProLiant DL320」を取り上げ、拡張性や機能など、これまでの一般的なサーバと1Uサーバでどのように違っているのかを調べることにした。1Uサイズという制限された中で、どのような機能を盛り込んでいるのかを見てみよう。

ProLiant DL320の位置付け

 多数のIA(Intel Architecture)サーバ製品を擁するコンパックコンピュータは、基本的にタワー型ケースを採用して内部拡張性を重視するML(Maximum flexibility Line)ラインと、ラックマウント型ケースで実装密度を重視するDL(Density optimized Line)ラインという、2つのラインアップを展開している。このうちDLラインは、ケースの薄い方から300/500/700シリーズという区分がなされている。

 現在ProLiant DL320は、300シリーズに属する1Uサーバのうち、低価格のエントリ・モデルにあたる。プロセッサはPentium III-800MHzのみが選択可能で、SMPには対応していない。同じく1Uサーバである上位モデルのProLiant DL360がSMP対応で、Pentium III-550MHz/800MHz/866MHz/933MHz/1.0GHzから幅広くプロセッサを選択できるのとは対照的だ。プロセッサの選択が行えないのは、低価格を実現するためと思われる。

また、これまでサーバでは一般的だったSCSIハードディスクを搭載するモデルのほか、低価格なIDEハードディスク搭載モデルがラインアップされているのも、ProLiant DL320の特徴である。今回紹介するのは、このIDEハードディスク搭載モデル(型番:R01 P800-256K 128MB ATA)である。

ケースの外観から見るProLiant DL320

 まずProLiant DL320の外観から特徴を見ていこう。厚さ44.4mmという極薄のケースに収めるため、CD-ROMドライブやフロッピードライブにはノートPC用の薄型タイプが採用されている。リアパネルのシリアル・ポートやPS/2などの各種コネクタは、配置を工夫することで薄型ケースに収まっており、特殊な小型コネクタは使われていない。つまりケーブルについては、一般的なPC用のものと互換性が維持されているわけだ。

意外に奥行きのある1Uラックマウント型ケース
外形寸法は幅426mm×奥行き546mm×高さ42.4mm。極薄ではあっても、幅や特に奥行きは結構あるので小型ケースとは言えそうにない。
 
シンプルなフロントパネル
左側から真ん中にかけてスリットが入っている部分には、2台のハードディスクが配置されている。ホットスワップ非対応のため、フロントパネルにハードディスクを取り出す仕組みは見あたらない。その右側にはCD-ROMドライブとフロッピードライブが配置されているが、これはオプションであり、標準ではダミーのカバーでふさがれている。コンソール用コネクタは背面のみで、フロントパネルには存在しない。インジケータLEDなどについてはを参照。→
 
フロントパネルのインジケータLEDとスイッチ
PCとして一般的なインジケータ/スイッチにだけでなく、ラックマウント型サーバ特有のものも装備されている。
  サーバ・ユニット確認用インジケータ/スイッチ
ハードウェアのメンテナンス時にこのスイッチを押すと、フロントとリアの両方にあるインジケータLEDが点灯する。これにより、ラックの背後からでも、メンテナンス対象のサーバ・ユニットを区別できる。リアパネルにも同じ機能のスイッチがある。同型サーバを何台も連ねることが多いラックマウント型サーバならではの機能だ。
  ネットワーク・インターフェイスのインジケータLED
本機は2系統のネットワーク・インターフェイスを標準装備しているので、インジケータLEDもそれぞれ1つずつ用意されている。リンクが確立していると点灯し、通信中は点滅する。
  システム状態を表すインジケータLED
通常は緑色に点灯するが、何かサーバに障害が生じると、その重大さに応じて黄色あるいは赤色に点灯する。
  ドライブのインジケータLED
内蔵ハードディスクなどがアクセスされていることを表す。
  電源のインジケータLED/スイッチ
インジケータLEDは、サーバが稼働中なら緑色に、またサーバはオフだが電源ユニット自体には通電している場合は黄色に点灯する。電源のトラブル時には、どこで電力がとぎれているのかの手がかりとなる。
 
コネクタと空気排出口が詰め込まれたリアパネル (拡大写真:27Kbytes
狭いスペースのうち半分近くは、廃熱のための空気排出口に占有されている。残りのスペースに各種コネクタが詰め込まれているが、一般的なサーバの用途に必要なインターフェイスはひと通り備えている。
  電源コネクタ
コンセントあるいはUPSからの電源ケーブルを接続する。その脇にある細かい穴は廃熱用のものだ。
  拡張スロット
評価機ではこのようにオプションのリモート管理用カードが装着されているが、標準状態ではダミーのブラケットで閉じられている。
  USBポート
デスクトップPCと同様にUSBも2ポート装備している。チップセットの対応が進んできたため、最近では1UサーバでもUSBポートを装備するのが普通になってきている。
  イーサネット・インターフェイス
本機は同じ仕様のイーサネット・インターフェイス(10BASE-T100BASE-TX)を2系統標準装備しているため、コネクタも2つ装備している。
  キーボード/マウス・コネクタ
一般的なPS/2インターフェイスを採用しており、サーバにありがちな専用ケーブルなしで、市販のPS/2用キーボード/マウスが接続できる。
  シリアル・ポート
シリアル・ポートはこの1系統のみで、コネクタは標準的なD-Sub 9ピンのタイプだ。ちなみにパラレル・ポートはない。
  ディスプレイ・コネクタ(VGA)
これも標準のミニD-Sub 15ピン・コネクタを採用しており、市販のディスプレイをそのまま接続できる。
  サーバ・ユニット確認用インジケータ/スイッチ
メンテナンス時にサーバ・ユニットを区別するためのもの。フロントパネルに装備されているのと同じものだ。このスイッチを押すとフロント/リア両方のパネルにある確認用インジケータLEDが点灯するため、フロントにまわってもほかのサーバと区別できるようになる。
  ファンの排出口
2つのファンがケース内部に連なって装備されているのが見える。
 

  関連記事(PC Insider内)
資料
1Uラックマウント型IAサーバ:「コンパックコンピュータ ProLiant DL320
IT Market Trend:第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場
スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」

  関連リンク
ProLiant DL320の製品情報
 

 

 INDEX

  [ プロダクト・レビュー・スペシャル ]
 大量導入向け低価格1Uサーバ「コンパック ProLiant DL320」
    1.1Uサーバの内部をのぞく
    2.マザーボードを詳しく観察する
    3.ハードウェアの拡張性を探る
     コラム:リモート管理用カード「リモートInsightボードLights-Out Edition」
 
「PC Insiderの特集」

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