警察向けに販売へ

アタッシュケースサイズのDNA解析装置、NECが発表

2007/09/25

 NECは9月25日、DNAの抽出から解析までが可能なアタッシュケースサイズのポータブル型解析装置を世界で初めて開発したと発表した。主に警察向けに販売する。

 開発した解析装置は個人識別を目的とするDNA解析に用途を絞ることで、解析プロセスを効率化し、警察が事件現場に持ち込めるまで小型化した。サイズは幅50センチ、奥行き40センチ、高さ20センチのアタッシュケースサイズ。チップを試験管の代用として利用するラボ・オン・チップ技術も採用した。

 解析装置で可能なのは細胞の採取、DNA抽出、DNA量を増やすPCR増幅、DNAの大きさを調べる電気泳動、個体差を判別するSTR解析。従来の解析装置では、PCR解析だけで小型プリンタサイズ、電気泳動装置は小型冷蔵庫程度の大きさが必要だったが、大幅に小型化した。

 また、解析処理の高速化も実現。特にDNAの増幅に必要な加温や冷却作業は従来の大型装置と比べて大幅に高速化した。1日程度かかっていたDNA抽出、解析のプロセスを約25分で行えるようにした。

nec01.jpg NECが開発したDNA抽出・解析のポータブル型装置

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(@IT 垣内郁栄)

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