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EISA (Extended ISA)

【イーアイサ/エイサ】

最終更新日: 2002/08/09

 1980年代末〜90年代中頃にかけて、PCサーバやワークステーション、ハイエンド・デスクトップPCなどで採用された拡張バス規格の1つ。それまでの標準拡張バス規格であったISAバスをベースにして、その性能や機能を大幅に向上させたもの。ISAとの互換性を維持しつつ、最大でISAの4倍の転送速度を実現している。現在はPCIバスに置き換えられており、まず見かけることはない。

 EISAは、有力なPCメーカー9社によって1998年に策定された。当時、PC互換機のプロセッサ性能は着々と向上していたのに対して、拡張バスであるISAの性能が相対的に不足しており、サーバなど高性能なI/Oが必要なPCのために、より高速な拡張バスが求められていた。これに対してIBMは、従来のISAとは互換性のないMCA(Micro Channel Architecture)という独自のバス・アーキテクチャを開発し、IBM PC/ATの後継機であるPS/2に実装した。一方Compaq Computerは、MCAと同等の機能や性能を持ちつつISAと互換性のある新しい拡張バスの開発に着手した。これにほかのPC互換機メーカー(AST Research、セイコーエプソン、Hewlett-Packard、日本電気、Olivetti、Tandy、Wyse、Zenith Data Systems)が賛同し、EISAが誕生した。ちなみにこれらのPC互換機メーカー9社は「Gang of Nine」と呼ばれていた。

 EISAの第1の特徴は、性能がISAと比べると大幅に向上している点があげられる。ISAのデータ・バス幅は16bitだがEISAでは32bitに拡張され、1回の転送サイクルで4倍のデータを転送できる。加えてDMA転送のプロトコルも改良された結果、最大33Mbytes/sの転送レートが実現されている(ISAでは5.3M〜8Mbytes/s)。また、アドレス・バス幅もISAの24bitからEISAは32bitに拡張されている。これによりEISAの物理アドレス空間は、当時の最新プロセッサである386DXなどと同じ4Gbytesに広がり、DMA転送の効率も高まって性能向上に寄与した。

 機能面の特徴としては、IRQやI/Oポートといったシステム・リソースの割り当てをソフトウェアで変更できる統一的な仕組みがあげられる。当時のISAでは、各カード上に搭載されたジャンパやスイッチによる手動設定が主流だったが、設定ミスによるシステム・リソースの競合が生じやすく、トラブルの原因となっていた。これに対してEISAでは、ソフトウェア・レベルで統一的に複数枚の拡張カードのシステム・リソースを管理できるようになっている。

 ライバルのMCAと比べてEISAが持つ最大のメリットは、ISAとの高い互換性を維持していることだ。EISAバスの拡張スロットにはISAカードを装着できるし、EISAカードとISAカードを同一バス上で混在させることも可能だ。これにより、ユーザーは新しいEISA搭載PCでも旧来のISAカードの資産を引き継ぐことができた。

 このようにメリットの多かったEISAだが、デメリットもあった。1つは、システム・リソースの管理に専用の設定ユーティリティ・ソフトウェアを必要としていたことだ。前述のようにISAより容易になったとはいえ、システム構成を変更するたびに設定ユーティリティを起動して設定を確認または変更しなければならず、面倒だった。またEISAでは機能が増えたぶん、PCもカードも回路を構成する半導体チップ数が増えがちで、ISAと同程度までコストを下げることが難しかった。そのため、EISAはサーバやワークステーション、ハイエンド・デスクトップPCといった高価なPCでのみ採用され、普及価格帯のPCには搭載されなかった。さらに、Windows 3.xの登場によってPCのグラフィックス性能の向上が求められたとき、EISAでもまだ性能が足りなかった。

 一部のPCメーカーは、EISAをベースに高速化を図った独自の拡張バスを開発したものの、結局、最大133Mbytes/sの転送レートとPlug and Playを実現したPCIにより、EISAは活躍の場を失ってしまった。現在ではほとんど見かけることはない。

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