DSLカンパニー脱却を狙うアッカ、中間決算は“苦戦”

2006/8/11

 アッカ・ネットワークスは8月10日、2006年12月期の中間決算に関する説明会を開催した。個人向けADSLサービスの減収や、(M2M事業を含む)新規事業の立ち上がりの遅れ、個人向け光サービスの未達などで業績の予想を下方修正し、経常利益16億円(従来予想の50%減)、当期利益7億円(同80%減)と発表した。

アッカ・ネットワークス 代表取締役社長 坂田好男氏

 業績の下方修正を余儀なくされた要因のうちで同社が力を入れているのは、新規事業を収益の得られる体制へと移行させること。2005年12月決算における主要ブロードバンド事業者の決算数値を見ると、ADSLサービスの加入者数は四半期ベースで鈍化しつつあることがうかがえる。このような状況もあり、同社は「DSLカンパニーからの脱却」(アッカ・ネットワークス 代表取締役社長 坂田好男氏)を目指し、M2M事業を含む「ソリューション支援型ビジネス」をサービスメニューに組み込むことで、収益の柱にしていきたい考えだ。

 「ソリューション支援型ビジネス」とは、パートナー企業に対して、アッカがこれまで培ってきたネットワーク技術の保守・運用ノウハウなどを提供し、事業領域を拡大しようとするもの。通信業界以外のパートナーを募り、それらのパートナーにソリューション支援プラットフォームとして、アクセスや中継ネットワークやプラットフォーム機能などを提供する。すでに大塚商会、ウィルコム、レブルシステムズなどとパートナー契約を結んでいる。販売チャネルの拡大にともない、サービスのモジュール化も進めている。従来は白紙からの『個別仕立て』だったサービス提供形態を、『イージーオーダー』へと変更、サービスや保守もメニュー化し、料金体系もわかりやすくする。

 ただし、これらの新体制構築が思うように進まず、2006年12月期の中間決算は大幅な下方修正を余儀なくされた。

 なお、8月8日にイー・アクセスが同社の発行済み株式の10.3%を取得し、NTTコミュニケーションズに次ぐ2位の大株主に浮上した件について、坂田氏は「(買収防衛策などを)講じているわけではない。そのような提案があったら、その時に対応する」とコメントし、イー・アクセスの出方を待つ構えをみせた。

(@IT 谷古宇浩司)

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