特集
ブレード・サーバの真実と未来

3. 2種類のブレードをラインアップするTrustGuard/HiServer

デジタルアドバンテージ
2002/06/28


 トラストガードは、ブレード・サーバやRAIDユニット、NASの製品開発・販売や、インターネット関連のソリューション提供などを行っているベンダである。本稿では、同社がラインアップしているブレード・サーバのうち、最新製品であるTrustGuard/HiServerを紹介しよう。本機はProLiant BL e-Classと比べて、主に以下のような違いがある。

  • 性格の異なる2種類のサーバ・ブレードをラインアップしている
  • エンクロージャにCD-ROMドライブとフロッピードライブが標準で内蔵されている
  • コンソールなどを切り替えてサーバ・ブレード間で共有するシステムが標準装備されていること

 こうした違いを踏まえて、TrustGuard/HiServerのハードウェア構成を見ていこう。

トラストガードのTrustGuard/HiServer
これはエンクロージャに2枚のブレード・サーバを取り付けたところ。3Uサイズのエンクロージャに最大18枚のサーバ・ブレードを装着できる。エンクロージャ内の右端にあるのは、本機の特徴でもあるI/O切り替え用ブレードだ(詳細は後述)。
 
TrustGuard/HiServerはブロック・ダイアグラム
ProLiant BL e-Classと比べると、バックプレーン経由で各コンポーネントを接続する点は共通だが、サーバ・ブレードの外部インターフェイスの引き出し方は大きく異なる。特にコンソールについては、標準装備のI/O切り替え用ブレードにより、全サーバ・ブレードが一組のコンソールを切り替えつつ共有できるようになっている。また標準装備のCD-ROMドライブとフロッピードライブも共有される。

2種類のサーバ・ブレード:HDB31670、HDB31650

サーバ・ブレード「HDB31670」
TrustGuard/HiServerには2002年6月時点で2種類のサーバ・ブレードが用意されており、性能/機能重視タイプがこのHDB31670である。特徴はの拡張スロットで、本機がブレード化による高密度実装と汎用的なハードウェア拡張性の両立を図っているのが分かる。またチップセットには、サーバ向けのServerWorks LC-Eを採用しているほか、3系統のイーサネットのうち2系統はギガビット対応など、サーバらしい仕様が散見される。
  プロセッサを冷却するヒートシンク。この下にはSocket 370対応のプロセッサとそのソケットが収まっている。プロセッサはPentium III/Celeron/VIA C3から選択できる。
  メモリ・ソケット。ソケット数は1つだけだが、最大1Gbytesのメイン・メモリを実装できる。DIMMはサーバで一般的なECC Registered DIMM(PC133対応)だ。
  ハードディスク。本機でも2.5インチIDEハードディスク×1台がブレード上に実装されている。試用機のディスク容量は20Gbytesであった
  拡張スロット。ここにオプションのライザー・カードを装着すると、汎用の32bitまたは64bitのPCIカードを接続できるようになる(サーバ・ブレードの隣のスロットにPCIカードが収まる形になる)。
  バックプレーンとの接続コネクタ。→
 
バックプレーンとの接続コネクタ
ここには電源のほか、コンソールやフロッピードライブ、CD-ROMドライブとの接続に必要な電気信号が通っている。コネクタ形状はCompactPCIという産業界向けPCI規格と同じものだが、信号のピン割り当てや電気的特性などはまったく異なる。
 
サーバ・ブレード「HDB31650」
これはTrustGuard/HiServer用のもう1つのサーバ・ブレードで、コスト重視タイプといえるモデルだ。HDB31670と見比べると拡張スロットがないことを除けば、部品構成は同じように見える。しかし、チップセットにはデスクトップPC向けのIntel 815Eを採用しているため、メモリ容量は最大512Mbytesと少なくECCにも非対応である。また3系統のイーサネットもすべて100BASE-TXまでの対応と、スペック面でHDB31670との差別化が図られている。
 
サーバ・ブレードのフロントパネル
3つのコネクタはいずれもイーサネット用であり、イーサネット・ケーブルは本体正面から接続されることになる。HDB31670の場合、上と中央のコネクタはギガビット対応で、下が100BASE-TX対応になる。HDB31650では、3つとも100BASE-TX対応だ。
  電源スイッチ。これによりサーバ・ブレード単体の電源オン/オフが可能だ
  ステータスLED。電源のオン/オフやコンソールなどの選択状態が、LEDの色や点滅で表される

 本機に限らず、サーバ・ブレードにイーサネットが2〜3系統も装備されている理由の1つは、前述したサーバの3階層モデルにおいて、異なる階層との通信にそれぞれ別系統のイーサネットを利用するからだ。例えばフロントエンド・サーバならロード・バランサとミッド・ティアとの接続に、それぞれ1系統ずつイーサネットを使用する(同一系統にまとめると、トラフィックが増えてパフォーマンスに影響するし、管理も面倒になる)。また、2系統のイーサネットを組み合わせて耐障害性を高めたり、負荷分散により転送レートを向上させたりすることも、サーバでは多い。これも、必要となるイーサネットの系統数を増やす一因となる。

 次のページでは、TrustGuard/HiServerの特徴でもあるI/O切り替え用ブレードやエンクロージャに注目してみよう。

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  関連リンク 
ProLiant BL e-Classの製品情報ページ
TrustGuard/HiServerの製品情報ページ
 
 

 INDEX
  [特集]ブレード・サーバの真実と未来
    1.高密度最優先のブレード・サーバ「ProLiant BL」
    2.OSセットアップまでリモートから行うProLiant BL
  3.2種類のブレードをラインアップするTrustGuard/HiServer
    4.コンソールからフロッピーまで共有可能なTrustGuard/HiServer
    5.2タイプに分かれてきた最新ブレード・サーバ
    6.現在のブレード・サーバが抱える課題とは?
 
 「System Insiderの特集」


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