i2は“顧客至上主義”に生まれ変わる

2003/4/16

 i2テクノロジーズ・ジャパンは4月15日、SCMソリューションの新製品「i2 Six日本語版」を発表した。新バージョンでは「デフレに勝つSCM戦略」というコンセプトの下、(1)マーケットのリアルタイム把握、(2)サプライ状況のリアルタイム把握、(3)企業の枠を超えたインテグレーション、の3点の実現に向け、「i2 サプライチェーン・オペレーティング・サービス」(i2 SCOS)という基盤を採用している。

 i2 SCOSは、J2EEやXML、JAAS、JMX、SOAPといった標準技術により、企業内の既存システムや他社とのBtoB連携を実現するプラットフォーム。出荷実績や市場動向、在庫、生産状況などの実データを、ビジネスプロセスに従ってリアルタイムに連携する。またi2 Sixの主要機能である「フルフィルメント最適化」「調達・支出」「生産管理」「売上・利益最適化」、それと「ロジスティクス管理」の5つのエンジンをWebサービス化してユーザーに提供。これにより、需要予測から調達計画を担う「計画系モジュール」と、オーダーや実績管理を担う「実行系モジュール」のより密な連携を実現するという。

 そのほかの新モジュールとして、「i2 Demand Manager」(i2 DM)を発表。i2 DMは従来の「i2 Demand Planer」などの後継モジュールで、市場からのPOSデータなどを基に需要予測・販売計画・予実管理を実行する製品。前バージョンでは需要予測や分析、販売計画などでそれぞれモジュールが分かれていた。i2 DMはこうした計画系エンジンを統合し、実行系システムのリアルタイムデータを反映して影響分析を実現する。i2では「市場から調達に至る全サプライチェーンプロセスをカバーし、かつ拡張・連携が容易なプラットフォームを持つ製品はi2だけ」と自信を見せている。

 だが問題も残っている。米i2は昨年、サポート体制などに対する不満から顧客満足度が低下し、売り上げが低迷。大規模なリストラに追い込まれた。そのため、手厚いサービスが提供できないのではないかと心配する顧客企業があるようだ。またi2 Sixについても「発表が先行して、実際の製品出荷まで待たされるのではないか」という懸念の声もある。これについてi2日本法人の代表取締役社長 横溝陽一氏は、「i2 Sixはすでに国内で5〜6社に提供を始めており、そのうち数社ではもうすぐ本番稼働に入る。実体のないソリューションではない」と前置きしたうえで、「この4月から3〜4カ月かけて製品を出荷していく」と説明した。

i2テクノロジーズ・ジャパンの代表取締役副社長に就任した津村謙一氏

 さらに営業体制強化に向け、「新生i2超顧客主義」を表明。具体的には、既存顧客と新規顧客の割合を7:3とし、既存顧客へのサポートやサービスに注力する方針だ。実際、昨年12月からプリセールス体制を強化し、個々のニーズや要求に応えるソリューション提供に重点を置いているという。「今までの営業スタイルはライセンス販売が中心だった。今後はまず製品を導入し、ユーザーに効果を理解していただいたうえで販売するという形態も考えている」(横沢氏)。このためリストラ時にもコンサルタントを減らさず、コンサルティングの質の維持に努めたという。今後はパートナーとの関係強化、拡大を図り、ソリューション営業を強化する構えだ。

 また営業体制の刷新に伴い、i2は新たな代表取締役副社長として津村謙一氏を任命した。津村氏は4月15日から国内営業活動と製品戦略統括責任者として実務を執る。津村氏はもともと、倉庫管理パッケージのEXEテクノロジーズの日本法人社長として、実行系サプライチェーンエンジンの普及を働きかけてきた立役者。その実力と手腕を買われ、既存ユーザーとの橋架けに注力する。

 今回の人事について津村氏は「EXEテクノロジーズを離れる際には、正直に言って迷いがあった。だが米i2の取締役会長である中根滋氏との親交を重ねる中で、『日本人同士で協力しあってグローバルスタンダードを世界に普及させたい』という意欲に駆られた。中根氏とともに、サプライチェーンソリューションを核に日本経済を復興させたい」と、大いなる意欲を見せた。

(編集局 岩崎史絵)

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i2テクノロジーズ・ジャパンの発表資料

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