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Windows Vistaマシンがスリープ状態から勝手に復帰するのを防止する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2008/12/26
対象OS
Windows Vista
Windows Vistaを搭載したPCが、スリープ状態から勝手に復帰してしまうことがある。
Windows Vistaでは、さまざまなデバイスやソフトウェアのイベントでスリープ状態が解除可能であるため、意図せずスリープ状態から復帰してしまうことがある。
デバイスやソフトウェアの設定によって、スリープ状態からの意図しない復帰が防止できる。

解説

 Windows Vistaでは、電源管理の方法がWindows XPとは変更されており、特にノートPCでは電源オフ(シャットダウン)の代わりに、スリープ(スタンバイ)が推奨されるようになっている。スリープ状態とは、完全に電源をオフにせず、メモリの内容を保持したまま省電力を実現するものだ。作業を再開したいときに、数秒で元の状態に戻せるというメリットがある。

 しかしスリープ状態にして、何ら操作していないにもかかわらず、意図せずに電源がオンの状態に復帰してしまっていることがある。これにより、いざ使おうと思ったときにバッテリ残量が減っていて困ったという経験を持つ人も多いようだ。意図せずスリープ状態から復帰する原因にはいくつかある。ここではその原因の追求方法と対策をまとめる。

操作方法

スリープ状態からの意図しない復帰の原因を探る

 スリープ状態からの意図しない復帰が繰り返し行われるようならば、その原因を調べて対策を行うのが近道だ。そこで[管理ツール]−[イベント ビューア]を立ち上げて(もしくは[コンピュータ]を右クリックして[管理]メニューを実行する)、どのようなイベントによってスリープ状態から復帰したのか調べよう。

 [イベント ビューア]では、さまざまなイベントが記録されているので、1つずつ見ていくのは大変だ。そこで、ログをフィルタリングして、スリープ状態から復帰した際のイベントのみを表示するようにする。まず、左ツリーから[Windowsログ]−[システム]をクリックする。

 次に[操作]ウィンドウ領域の[現在のログをフィルタ]をクリックする。[現在のログをフィルタ]ダイアログが表示されるので、ここで「ログの日付」を選択([過去24時間]または[過去7日間]を選択するとよい)、「イベント ソース」のリストで[Power-Troubleshooter]にチェックを入れる。これで[OK]ボタンをクリックすると、[イベント ビューア]のログがフィルタリングされ、スリープ状態から復帰した際のイベントのみが残る。[全般]タブの「スリープ解除の原因」を順番に見ていき、「ACPI Lid(液晶ディスプレイのオープン)」といった意図した操作以外のものを探せばよい。

[現在のログをフィルタ]ダイアログの画面
「ログの日付」を選択、「イベント ソース」のリストで[Power-Troubleshooter]にチェックを入れると、[イベント ビューア]のログがフィルタリングされる。
「ログの日付」は、[過去24時間]または[過去7日間]を選択するとよい。
「イベント ソース」のドロップダウン・リストを開き(▼マークをクリックする)、[Power-Troubleshooter]にチェックを入れる。

スリープ状態から復帰した際のイベントのみ残した[イベント ビューア]の画面例
ログをフィルタリングして、スリープ状態から復帰した際のイベントのみ残して確認すると原因が特定しやすい。
「スリープ解除の原因」を順番に確認する。

 ただ残念ながら「スリープ解除の原因」が、「不明」となっている場合も多く、原因が完全に特定できないこともある。このような場合、電源ボタン、マウスやキーボードなどのデバイスによって、スリープが解除されていることが多いようだ(電源ボタンによる意図したスリープの解除のほか、振動などによる意図しないスリープ解除を含む)。逆に、コンピュータを操作していない時間帯で「スリープ解除の原因」が「不明」となっているログが存在するのであれば、何らかのデバイスによってスリープ状態から復帰させられていたことになる。

ネットワークやマウスなどのデバイスによるスリープ解除を無効にする

 Windows Vistaでは、電源ボタン以外にも、マウス(タッチパッド)を動かしたり、キーボードでキーを入力したりするだけで、スリープ状態から復帰させることが可能になっている。また有線LANや無線LANが有効になっている場合、パケットを受信しただけでスリープ状態から復帰してしまうこともある。特にノートPCでは、持ち歩いている際に振動によってキーボードが押されたり、公衆無線LANのアクセスポイントからパケットを受信したりして、スリープ状態が解除されてしまうことがあるようだ。

 このような場合、各デバイスのプロパティの[電源の管理]タブにある「このデバイスで、コンピュータのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外せばよい。マウス、キーボード、有線LAN、無線LANなどが主な対象となる。[電源の管理]タブがなかったり、「このデバイスで、コンピュータのスタンバイ状態を解除できるようにする」の項目がグレーアウトされていたりするデバイスは、スリープ状態が解除できないものなので無視して構わない。

マウスのプロパティの[電源の管理]タブの画面の例
[デバイス マネージャ]で各デバイスのプロパティを開き、[電源の管理]タブを見る。ここの「このデバイスで、コンピュータのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックが入っているようならば、外せばよい。
「このデバイスで、コンピュータのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外す。

ネットワーク・カードのプロパティの[電源の管理]タブの画面の例
(ほかのコンピュータやルータなどからの)ネットワーク・パケットの受信でスリープ状態から解除されることもある。

ソフトウェアによるスリープ解除を防止する

 イベント・ビューアの「スリープ解除の原因」が「RTC(リアルタイム・クロック)」となっていた場合、ソフトウェアによってスリープ状態の解除が行われた可能性が高い。自動更新(Windows Update)やウイルス対策ソフトウェアなどの自動アップデート機能などは、コンピュータをスリープ状態から復帰させて、自動的に更新やアップデートを行うようになっている。そのため電源オプションの設定(手動でのみスリープ状態に移行するように設定しているような場合など)によっては、スリープ状態から復帰後、再度スリープ状態に移行せず、コンピュータが起動したままとなってしまうことになる。

 このようなソフトウェアによる意図しないスリープ状態の復帰を解消するには、対象となるソフトウェアの自動更新/自動アップデート機能を無効にすればよい。ただし、無効にすることで修正プログラムが自動的に適用されなくなったり、ウイルス対策ソフトウェアのパターン・ファイルが古いままとなったりするので、必ず手動で更新を行うなどの注意が必要だ。無効にする方法はソフトウェアによって異なるので、ヘルプ・ファイルなどで確認するとよい。End of Article

自動更新を無効にする
自動更新(Windows Update)の設定を変更するには、Windows Updateを起動し、左ペインの[設定変更]をクリックすればよい。[設定変更]画面が現れるので、[更新プログラムを確認しない]を選択する。これで定期的に自動更新が起動することはなくなる。ただし、定期的に手動で自動更新を実行しないと修正プログラムが適用されないので、注意が必要だ。
[更新プログラムを確認しない]を選択する。

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